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「命捧げます!アサイーボール」#ミリしら解説
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よ〜く聞いてね♡
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「一緒に生きていきましょう」
と言う男より
「一緒に死んでくれませんか」
と言う男が好きだった。
若き日に太宰治に傾倒し過ぎたせいかもしれないと自分を分析してはいるが、未だにその嗜好は衰えるどころか、胸の奥に燻ぶって炭のように静かな高温を発している。
そんな時に出逢ったのが、
アサイーボールだった。
彼は日本人の父とフィリピン人の母の間に生まれたハーフで、類まれなる容姿と運動能力で一躍甲子園の星となった。
彼はエースで四番打者だったが、少しでも失敗するとマウンドの上、バッターボックスの中で、とにかくよく泣いた。
「誰かぁ〜、僕と一緒に死んでくれませんかぁ〜!!」
透き通るような高音で、彼は叫び泣いた。
私はハンカチを握りしめながら、テレビに向かってその度に一緒に叫んだ。
「ええ、死ぬわ!!一緒にあの世に参りましょう!!」
彼のヘナチョコカーブは、ちょこっとしか曲がらなかった。
ウム、、、
「名は体を表す」
正にアサイーボールか…
よく、これで甲子園の土が踏めたものだ。おまけにアサイーボールが所属する高校は、敵チームのエラーのおかげで、ひょろひょろ?違うな。
ヨロヨロ?これも違うか、ポニョポニョ?ま、いいか(笑)と勝ち進んだ。
アサイーボール、彼は一躍「時の人」となった。
浅黒い肌、ほとばしる汗、一寸の濁りもない瞳、真っ白な歯…
彼にこの身の全てを委ねよう。後悔なんかしたくない。
私は甲子園球場へ生まれて初めて出向き、彼のサインを求めに駆け寄った。
ドキドキ(早まる鼓動)
私「応援しています!一緒に死にましょう!」
アサイーボール「はい!ありがとうございます!死にましょう」
ニコッ(笑顔の音)
キラッ(輝く歯)
しっかりとした楷書で、彼がサラサラと書いたサインは
「浅井 球」
………
はっ?
誰?それ?
知らんわ。
この年の流行語大賞ノミネートって、詐欺じゃね〜の?熱かった私の夏を返して(泣)
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ここまでです♡
【あとがき】
生まれてから一度も嘘をついた事がない私には、このお題は難しかったです(/_;)ヨヨヨヨ
でも知的変態くん、皆さんのレベルが高いので、これでハードルを下げられたかと思います。
あぁ、なんて美しい自己犠牲(自画自賛)
現場からは以上です。
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いつきちゃん
ありがとう♡
お風呂入ってご飯食べたら、行って参ります(泣)
皆様は楽しい一週間をね〜。
じゃぬーん♪