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特急ラビューに乗ったら、電車が好きなわたしが帰ってきて、夜もすがら妄想に勤しんでいる。

電車という乗り物が、とても好きだ。できればただの銀色の箱じゃなくて、色とりどりの電車に乗ること。あと、路線図を眺めながら旅の計画を妄想すること、なんて条件がついたら跳ね上がっちゃうくらい、電車が好きだ。

小学生の頃のわたしは、習い事のある日曜日になると、母や祖父が「一緒に車で行こう」と誘ってくれても頑なに「地下鉄で行きたい」と駄々をこねて地下鉄で通った。(妹も時間違いで同じお稽古場に通っていたから、送迎をいっぺんに済ませたかったのだと思う)

高校最後の1ヶ月は、「バスの定期券の期限が切れたし、最後くらい電車通学がしたい」と言って電車通学をした。自宅の目と鼻の先、学校の目の前にバス停があるという好条件にもかかわらず、乗車時間10分に対して、自宅から駅まで徒歩25分、学校の最寄り駅から学校まで徒歩20分というとんでもなく非効率的な通学をして疲れ果てた。

大学院時代は、神戸から仙台までの道のりを青春18きっぷで北上した。常磐線が再開する前だったから、東北本線でひたすら山の中を駆け抜けた。

そして社会人になるタイミングで、念願の電車通勤の日々を手に入れた。電車に乗れるのが毎日楽しくて、満員電車さえもそんなに苦ではない。この一年は、都心と逆方向に向かう電車に乗っているから、満員になることはほとんどないのだけれども。

そんなわけで、社会人になってからというものの、特急スペーシアきぬに乗りたいから日光へいき、黒部峡谷鉄道に乗りたいから宇奈月に行き、伊予鉄道に乗りたいから道後温泉に行き、篠ノ井線に乗りたいから長野に行き、常磐線特急ひたちに乗りたいから仙台に行き、一畑電車に乗りたいから出雲に行く。なんていう旅を好んでいた。

がしかし、そう簡単に関東から出るのも憚られるようになってしまったここ最近。すっかり電車に乗るための旅がストップしてしまっている。

そんな中、ひょんなタイミングで埼玉県は飯能に行く用事ができてしまった。前回は急行で行ったのだけれども、西武線の急行はなぜか所沢以降が各駅停車になってしまう。だから、目的地にたどり着くまでも、またトーキョーに戻ってくるまでも、とんでもない時間がかかった覚えがあった。

そこで、特急ラビューに乗ろうとなったのだ。実はつい一年前まで西武線沿線に住んでいたから、ラビューは通過待ちや池袋駅に停車している姿を何度となく目にしてきた。昨年は、幼児向け雑誌「ビッグサイエンス」で「とっきゅうでんしゃができるまで」なんてタイトルで、ラビューができるまでの過程が写真付きで掲載されていたというのに、実は一度も乗ったことがなくて。

特急だと指定席を取れるから隣の人との間隔も空けられるし、混雑も避けられる。今のこのご時世にもピッタリだろう、とついに乗車してきた。

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まず、この座席。とってもスタイリッシュ。そして、座り心地が最高に良い。硬すぎず柔らかすぎず。在宅勤務の時、家でゴロゴロするとき、この椅子があったら最高だろうなと思って「この椅子、普通に欲しい」と呟いたら、隣にいた友人に苦笑いされた。

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あと、雑誌でも取り上げられていたけど、窓が大きい、わたしの身長よりも若干大きいんじゃないかと思う。(ちなみに、縦は158cmらしい。わたしの身長は、155cmだ)今まで乗ってきた新幹線や電車と比べても、格段に大きい。飯能の先の秩父とかはさらに自然が広がるし、すっごく気持ちいと思う。

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降りるときにお顔も拝見してきたのだけれども、お顔もすっとスタイリッシュでかっこいい。

こんなにも快適で楽しい旅が、なんと、500円で堪能できちゃうのだ。「特急」ってものすごく高いイメージがあったけどスタバいっぱいよりも安いお値段で贅沢な気分を味わえるのだ。もう、所沢にさえ急行で行けなくなった。

そんなわけで、「密を避けられる」なんていうのは言い訳で、特急に乗って元気もりもりになって池袋に帰ってきた。

ここ最近のわたしは、「お酒がないのならソフトドリンクを飲めばいい」「旅ができないならおうち生活を楽しめばいい」と、そんなにないものねだりをせずに生活していた。でも、わたしって電車が好きなんだなぁと気づいてしまうと、他にも乗りたい電車が出てきてしまう。

そんなわけで、世の中がもう少し落ち着くことを願いながら、ローカル線の写真を検索しては、次の旅に備えた旅の計画を妄想する夜を過ごしている。

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偶然と運命は、きっと、紙一重。


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🌻さんまり🌻
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