
【DAY 1】凍てつく寒さを超える何かが、この街にはあるような気がして。
わたしを乗せたオーロラ航空の飛行機は、マジックアワーに差し掛かるちょうどギリギリのタイミングで、ウラジオストク空港に着陸した。遅延することなく、いや定刻よりも10分ほど早く着陸したから落ち着いてシムも買えた。
成田空港に同じく、ウラジオストク空港もまたクリスマスモード。アリョンカのベビーもクリスマスバージョン。ウラジオストクのサンタクロースはソリで来るのだろうか。それとも、飛行機なのだろうか。街の散策のついでに、ソリに乗っているサンタクロースを探そうと思いつく。街歩きまで覚えているかどうかは、突っ込まないでくださいな。
ちょっと早く着いたおかげで、余裕を持ってAirport express にも乗車できた。早速ヨーロピアンな車体とホームが出てきて、気温がマイナスにも関わらずテンション上がりすぎて身体があったまる。なんて省エネなわたしの身体!このテンションのままウラジオ旅を乗り切りたいところ。
電車は、発車するまで真っ暗。
でも、マジックアワーのおかげで車内はとっても幻想的な雰囲気。
機内で読み終わらなかった「くるみ割り人形」を読むつもりだったのに、日が暮れるまでずっと景色の虜だった。
真っ暗になって少し経つと、周りのロシア人たちがこぞってコートを着込みニット帽を被り、マフラーを巻き始めた。
いよいよだ。マイナスの世界へいざ飛び出さん。
夜7時のウラジオストク駅は、マイナス7度。ラッキーセブンがならんだ。覚悟して出たものの、そこまで寒くない。ちょっと拍子抜け。これはラッキーなのか。
否。多分、仙台の冬と比べて風が吹いていないだけだ。仙台の寒さは、風がたたきつけてくる寒さ。ウラジオストクの寒さは、凍てつく寒さ。
そう。歩けば歩くほど、じわじわと手先足先耳の先が凍てついてくる。これは、おそロシア。油断大敵だ。最初からちゃんとカバーしておかないと、後から痛い目に遭いそうだ。
Googleマップがあっても反対方向に歩くことで有名なわたしは、ウラジオストクでも目の前のAirbnbが見つけられず、心配したホストが迎えにきてくれた。ご飯を食べに行っても、店の目の前で迷子になっていた。
それでも、ウラジオストクのみなさんは、わたしの拙い英語に親切に応じてくれていくら目の前であろうと親切に道案内をしてくれる。
なんて素敵な街なんだ。
ロシア風水餃子のペリメニ
ジンジャークッキーは、もちろんジンジャー風味。くるみ割り人形へのわくわくが高まる。
吐く息が白い。
ちょっと立ち止まると、すぐに足先と耳の先が凍てついてくる。
それでも、その澄んだ空気とヨーロピアンな街並み、そして親切なウラジオストクの人々がいるこの街にちょっとずつ惹かれ始めているわたしがいた。
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