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大切な花を、一つ覚えておこう。花は、毎年必ず咲きます。
この景色を、彼女に見せたい。
彼女は、花を愛していた。わたしの登校を見守ると、朝の水やりをし、帰ってくる頃には庭先で新しく咲いた花や実を見せてくれた。買い物に行っても、お花屋さんを見つけるとずんずん進んでいった。
そんな彼女が、何よりも愛していたのが、このコスモス。秋になるとおじいちゃんの車で山へ行き、コスモスを眺めたっけ。あのときの彼女の喜びようったら。
花を愛し、娘を、孫を、ひ孫を愛したひいおばあちゃんが亡くなったのは、3年ほど前。最後の最後まで家に帰りたがり、大切に育てていた花たちの様子を心配していた。
あの頃のわたしは、毎日顔を見せに介護施設に行くことしかできなかった。
帰り際
「ねぇ。わたしも連れて帰って。」
と何度言われたことか。
連れて帰りたい。でも、それができずに
「ごめんね」
と彼女の帰りたがっている家へとひとりで帰るときのあの雪の冷たさを、わたしはいつまでも忘れることはないと思う。
帰省のときには、必ず駅前でお花を買ってからお墓参りに行く。毎年、この時期にはコスモスを。
「別れる男に、好きな花の名をひとつ教えなさい。花は毎年必ず咲きます。」
なんて言うけれど、ひいおばあちゃんのこともそうやって、コスモスと共に思い出す。
東京に来て、写真をはじめて。今年は、コスモスの写真を撮りに行こう、と漠然と思っていた。そんなときに、2人のお友達からフォトウォークのお誘いが。
3人くらいまでなら、会話もだいたいわかる。なによりも、カメラという共通の「スキ」をもった友達との時間はとても楽しかった。
ただ、コスモスを眺めて写真を撮る。それに、 #秋のもぐもぐフォトウォーク なんてかわいい名前をつけたら一気にときめきが増してしまうから、あら不思議。
週末は、帰省するんだ。
ひいおばあちゃんの墓前で、カメラ片手にたくさんのコスモスを共有しよう。そのときはもちろん、友達との楽しかった思い出も添えるんだ。
今日も一日お疲れ様でした☺︎🍁
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