きこえにくいからこそ、「そこに行きたい」ただそれだけの理由で空を飛べるのかもしれない。
世界を旅するたびに、ふと感じることがある。わたしたち聴覚障害者にとっての海外旅行って、日常生活の延長でしかないんじゃないか、と。
わたしは自分のきこえを説明するときに、よく海外旅行を例に出す。
「わたしの耳は全く聞こえない訳ではありません。音としていろんな音は入ってくるけれど、相手の声を【言葉】として認識する点で困り感があります。
例えるなら、あなたがアラビアの国にポンと送り込まれて、アラビア語の嵐を耳に入れ続けるようなものです。音として耳には入ってくるけれど、言葉とし