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平成一桁後半生まれ的「たま」のすごさ

「たま」というバンドをご存知ですか?
たぶん一定以上の年齢の方は「あー」となるでしょう。「さよなら人類ね」「イカ天ね」とか。私と近い年代の人は知らない人が多いんじゃないでしょうか。
とりあえず聞いてみてください。

「は?」「なにこれ?」って思った方、ちょっとだけ待ってください。この人「ヒガシマルのうどんスープ」のCMの人なんです。ほかにもピタゴラスイッチとかで歌声を聞くこともあるんですよ。もう解散してしまったバンドですが、元メンバーは今もソロや別グループで活動しています。

さて、たまの略歴ですが、「1984年に3人で結成され、1986年に4人体制となり、1990年にメジャーデビュー、たま現象とも言われるほど話題となった。1996年から再び3人になり、2003年に解散した。」とWikipediaにはあります。
メジャーデビューのきっかけとなったイカ天からブームとなり、紅白にまで出場したりしたんですが、どうしても紅白で歌唱した「さよなら人類」の一曲だけがひとり歩きして一発屋のイメージがついてしまっているんです。
物心ついた時には解散してしまっていたバンドだけど、他にもいい曲があるよ!超絶技巧派バンドなんだよ!というのをこの記事で伝えたいです。
10年間たまが4人組だったときのすごいポイント(3人組のときもすごいんですけど!)4つを書いてみます。

①編成、全員楽器めちゃうま
②全員が作詞・作曲をして、ボーカルを取る
③歌がうまい、コーラスがうまい
④演技

①編成、全員楽器めちゃうま
簡単かつ独断と偏見の紹介ですが、一回ライブ動画を見たら誰がどれかわかると思います。
知久寿焼:ギター/ウクレレ。小柄(ヒガシマルの人)
石川浩司:パーカッション。ランニング
柳原幼一郎:オルガン/ピアノ/アコーディオン/ギター。うさんくさい
滝本晃司:ベース。ミステリアス
この編成の何がすごいかというと、柳原幼一郎が鍵盤楽器やギターを、知久寿焼がギターとウクレレを、使い分けることで曲の雰囲気を変えることができるんです。オゾンのダンスどんぶらこは二曲とも柳原が作っていますが、様子が全然違いますよね。こんな感じで、曲に合わせた楽器が選択されることで、世界観がより強固に構築されて、唯一無二感が強くなります。
プロだから当たり前だろ、と思うかもしれませんが、一瞬怯むような特殊な世界観はすごいテクニックに下支えされているんです。もちろん全員すごいのですが、個人的には石川浩司のテンポキープ力が一番恐ろしいと思っています。学校にまにあわないに顕著なのですが、裏拍から表にメロディーが切り変わる部分とか頭の中どうなってんだろうと思います。

②全員が作詞・作曲をして、ボーカルを取る
4人全員が同じくらいの分量の曲数を作詞作曲して、なおかつボーカルをとるバンドって珍しくないでしょうか。しかも、それぞれが違うテイストの曲を作り、違う世界観がある歌詞を書き、全く異なる声質、高さで歌うんです。でも、不思議とまとまりがある。おそらく普通はメインボーカルが変わると「ん?」となると思うんですが、4人それぞれに独立した世界観がありつつもどこか重なっているので、アルバム、ライブを通して聞いていても全く違和感はないんですね。
しかも、4人いて誰一人似た曲を作らないんです。少なからず似たような音楽観を持った人たちがバンドを組むものだと思うんですが、そういう中で全然似ないっていうのはすごいことなんじゃないのかなと思います。

③歌がうまい、コーラスがうまい
ニコニコ動画で「口から音源」ってタグがあるんですけど、私はたまがそれだと思います。4人全員。ライブでも全然音がブレない!外さない!リラックスして歌っている!4人全員がですよ!すごすぎません?何十回と聞いている曲でも、シャッフルしていると拍手の有無でしか判断できないこともあります。音だけ聞いているとライブ特有の力みみたいなのを全く感じないんですよね。
たまの歌声といえばコーラスの秀逸さもあるんですが、例えばふたつの天気とかは知久と柳原のコーラスが冴え渡っていて非常に美しいと思います。
コーラスというより合いの手なんですが、夕暮れ時のさびしさにもタイミングが完璧で、たまに想像の合いの手とピッタリ合ってゾワッとします。

④演技
それぞれがメインボーカルをとっているとき、曲の世界観を演出する上で声の張り方や表現方法などが細かく変わっていて、何かが憑依しているかのような印象を受けます。これが本当に世界観を強烈に感じる一因だと思います。「イカ天」で審査員がしびれたキモは実はここなんじゃないか…?と思ったりします。異論は認めます。だって曲も詞も歌もすごいもの。
ちょっと滝本は分かりづらいですが、ワルツおぼえて海にうつる月の違いとか見てみるとわかっていただけると思います。

各要点に絞って説明したので書き足りないことがまだまだたくさんありますが、今回は一旦整理するのが自身の目的だったので、このまま公開します。
ここまで読んでくださってありがとうございました。下に私の好きな曲を貼っておいたのでよかったら聞いてみてください。


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