越境人材が組織を強くする
組織のインナーブランディングに
関わる仕事をしていると、
どうしたら強い組織になれるか
という質問が挙がる。
いくつか要素はあると思うが、
ブランディングという側面から言うと
重要なのは理念経営であると思っている。
組織の存在意義であるパーパス。
何でもって貢献するかというミッション。
使命を果たすことで辿り着きたいビジョン。
どうやって価値を発揮するかのバリュー。
それらの理念をもとに
採用育成ができているか
そして日々の仕事で体現できているか
が問われることになる。
でもこれだけだと強くはならない。
そこで活躍するのが
変革を促す越境人材である。
投入の仕方を間違えると
毒薬になってしまうが、
組織にそうした人材を受け入れられる
素地があれば効果は見込める。
ここでいう越境人材というのは、
全く違う組織から転籍する
人物のことだけではない。
組織内においても
営業や製造、管理など
部門を超えて広い経験をしている者。
対応している顧客業界の幅が広く
様々な商慣習を渡り歩いている者。
または仕事以外に自分の所属する
コミュニティを複数持つ者。
会社組織の越境以外にも
国や文化を超えた関わりも含まれる。
これらの越境人材に共通して見られるのは
慣れ親しんだ既存の枠組みから
自由に出入りできる柔軟性と
異なるものを否定するのではなく、
工夫して活用する視点である。
むしろそうした素養がなければ
そもそも越境はしづらいだろう。
ただし問題となるのは
その越境人材が組織変革ではなく
組織破壊につながる存在になってしまう時。
それは越境人材が
冒頭述べた組織の理念に
共感できているかどうかが
分かれ目となるだろう。