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価値と価値観

自分の中で、日本語で意味がわからないものは
英語で考えてみるとしっくりくることがあります。
 
企業理念と経営理念のnoteでも書きましたが
英語が論理的な言語だからでしょうか、
特に概念的なことは一度英語で捉えると
自分の思考の整理が進みます。
 
 
最近、英語を見て腑に落ちたことは
「価値」と「価値観」の違いです。
 
 
当社が提供しているサービスに
ブランディングがあります。

そうしたプロジェクトに携わり
理念について向き合っていると
「ミッション ビジョン バリュー」
という表現がでてきます。


MVVと略されることもあります。
 
 
このうちのV=バリューについて
わたしは長いことスッキリしないままでした。
 
Valueの訳語である「価値」というのは
誰がどう判断するかでニュアンスが
変わると思うからです。
 
そもそも人を主語にした価値については
難しいお題なのでここでは深掘りしませんが、
仕事の価値、商品やサービスの価値、
企業の価値などビジネスの文脈から
価値という言葉を考えてみます。
 
「自社が提供する価値」を決めるのは
誰なのでしょうか?


わたしは顧客だと思います。
 
価値というのはどちらかというと
顧客から選ばれる理由であり、
ブランドプロミスのようなものです。
 
この時に「自社が提供する価値観」は
なんだかおかしい表現だと気がつきます。
価値観は主観だからです。


 
こうしたMVVのモヤモヤを抱えながら
英語で情報収集をしていた時に、
MVVのVはValueではなく
Valuesであることに気がつきました。
 
複数形の「s」が付くかどうかだけですが
訳語は価値ではなく「価値観」となります。
 
Valueが価値で
Valuesが価値観です。
 
MVVがミッション ビジョン バリューではなく
ミッション ビジョン バリューズであった、と。
 
ネットでMVVの検索をすると
日本語サイトの多くがValue
英語サイトではValuesと出てきます。

Valuesなら自社で大事にしている価値観として
理念体系の中で位置付けられていることにも
大きくうなずけます。
 
自分にとって思考の整理をするのに
役に立った解釈の仕方です。
 
長年疑問に思っていたことが
自分なりに紐解けた瞬間でした。
 
 
 
いま日本に行き渡っている
ミッション ビジョン バリュー が
Mission Vision Valueではなく
本来はMission Vision Valuesであった。

きっと日本でMVVを広めた人たちが
プレゼン資料でValueと書いていたために
「価値」という訳語がついて
広がったのかもしれないと憶測します。
 
私が引っ掛かっていたのは、
自社が主観的に大事にしている「価値観」と
顧客から選ばれる「価値」が混ざって
使われていることへの違和感でした。
 
こうしたことは、誰かにとっては
すごく些細なことかもしれません。
 
しかし言葉を大切に扱いながら
仕事をしている者としては
とても気になることでした。
 
 
ということで、当社内でシェアする時は
 
・わたしたちが仕事をする上で
 大事にしたいことが「価値観」

・わたしたちが顧客から
 選ばれる理由は「価値」
 
として使っています。
 
 
結局、組織内外の両面において
Values=Valueであるように
組織を運営し事業展開することが、
あるべき姿なのだと思います。

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