「コンドルは飛んでいく」を7拍子で演奏してみたら
「コンドルは飛んでいく」について長々と語って来たのだけど、その発端は俺が参加しているmanulというバンドでの演奏企画だった。
「二週間チャレンジ」という名のこの企画、毎回メンバーが持ち回りで課題曲を提出し、それを受けて各々がアレンジを考えて二週間後にえいやあとスタジオで合わせるというもの。それをYouTubeで公開している。
(まあ、最近はリハ間隔が不定期で一週間になったり三週間になったりしているのだけど……)
で、俺の持ち番になったときに何を提案しようかなあと考えていて浮上したのが「コンドルは飛んでいく」だった。普通にサイモン&ガーファンクル版のカバーをやっても面白くないなあと思い、色々なカバー演奏を参照しているうちにその多様さ、奥深さに嵌ってしまったというわけ。
ところが、結局その探求はあまり意味を成さなかったのかもしれない。なぜならば、唐突に俺の頭の中に天からの啓示が降ってきたからだ。
「コンドルを7拍子で演奏しなさい」
まあ、天からの啓示というのは嘘だけど、とにかく何の脈絡もなくふと思いついたのだ。それで試してみると、これが実にハマる(ような気がした)。
よっしゃ、これで行こう!
というわけで、勇んで提案。
もちろん、他のメンバーは「???(何を言っているんだ、コイツは)」。
探した限りだと「コンドルは飛んでいく」の7拍子版音源なんて存在しないので、スタジオで軽く「こんな感じでーす」というデモをやってみる。まあ、雰囲気は掴んでもらえたようなのだけど、特にボーカルはどう曲に乗せるのかのイメージが難しいので、後日フル歌唱のデモ音源を録って配布することに。
そんなこんなで収録当日。
デモはアコギ弾き語り形式だったので、いざドラムやベース、リードギターと合わせてみると全然イメージが違い、スタジオには不穏な戸惑いが満ち溢れることに。俺自身も宅録やDTMで7拍子は何回かやったことがあるのだけど、誰かと合わせるのは初めてだったので、「こんなにフィーリングが合わないものか!」と驚いてしまった。特に、4分の7拍子というよりは8分の14拍子のような感じでアコギの伴奏を作ったので、8分音符のニュアンスの解釈部分で結構奏者ごとに差が出てしまうのだ。
それでも、何回か合わせているうちにフィーリングが合ってくる。すると、感じられるのが得も言われぬトランス感覚。いや、これはやみつきになると自分では勝手に思っていたのだが、他のメンバーはきっとそうでもないのだろう。
ともあれ、演奏は何とか完走。やっぱり全体的にはおっかなびっくり感が強いのだけど、まあ聞ける演奏にはなっているのでは?
動画には収録されていないけれど、4拍子で歌ってみてと言われながら、気がつけば7拍子で歌っていたなど、実に中毒性の高いリズム。
奇数拍子愛好者としては、もっと7拍子の良さが世に知られてほしいなあと思った次第。
ただ、二週間チャレンジで提案するのはしばらくやめておこうかな……
もう一度やると、本気で怒られそうな気がする。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?