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私たちは本当に、自分の目で世界を見ているのか――「三賢人の学問探究ノート」とは
子どもの頃の帰り道には
「ふしぎ」や「おもしろい」が、たくさんありました。
雲が描く美しい模様、渡り鳥の群れが作る形、アリの行進が向かう先……。
でも、大人になった今は、どうでしょう。
忙しない毎日の中、目の前の「ふしぎ」や「おもしろい」に
いちいち立ち止まることが、少なくなってはいませんか?
知識や経験にもとづく思い込み、誰かが決めた意味・評価――大人になるにつれて身につけたさまざまなものは、気づかないうちに私たちの見方を縛ります。
「これは、こういうものだから」「そんなことよりも、もっと大事なことがあるから」……。あんなにたくさんあったはずの「ふしぎ」や「おもしろい」が、どんどん透明になるかのように、大人の目には見えなくなっていく。
もし、あなたが、あなたの見方を縛るものから解放されたら、
目の前の景色は、どのように見えるでしょう。
どんなことに気づくでしょうか。
そして、その気づきは、あなたの人生にどんな可能性をもたらしてくれるのでしょうか?
学問の本ですが、学問だけの本ではありません
はじめまして。
私たちは、ポプラ社から発売されている「スタディサプリ三賢人の学問探究ノート」シリーズを制作している編集部です。
このシリーズには、さまざまな領域の最先端で活躍する、大学教授や研究者たちが登場します。「人間」「社会」「生命」といった普遍的なテーマに対して、どんな独自の問いや研究アプローチで研究者たちが向き合っているのか、やさしい文章とイラストでまとめています。
昨年、1巻から3巻を発売すると…
「難解に思えた学問が、おもしろく理解できた」「理系と文系の研究が一冊の中に織り交ぜられていて、テーマをさまざまな面から捉えられた」などの嬉しい声が、編集部に届きました。
そうした声を受けて、続編となる4巻『表現を究める』・5巻『生活を究める』の2冊を2021年3月15日に発売すると決定しました。
しかし、この本、『学問探究ノート』という書名ではあるものの、
学問の内容だけを解説した教養本ではありません。
学問の世界を生きる賢人たちが、どうして独自の問いを抱くに至ったか。幼少期から、問いが生まれる瞬間、研究のプロセスをストーリー仕立てで語る構成になっています。知らずにこの本を手に取ってくださった方は、いきなり研究者の子どもの頃の話から始まるので、驚かれるかもしれません。
なぜこのような構成になっているのか―。それは、実はこの本は「学問の内容を知ってほしい」「賢人たちの偉大な功績を伝えたい」という思いとは少し違うところから、生まれたからなのです。
次世代を生きる子どもたちが、身近な気づきを起点に進路を描けるように
この本の原点は、リクルート社「スタディサプリ進路」が2019年に高校生向け進路教材(非売品)としてリリースした『学問探究BOOK』にあります。
これまで高校現場に向けて、さまざまな進路教材を提供してきた「スタディサプリ進路」。
昨今、大学入試改革や高校での探究授業の実施など、教育改革が話題になる中で、「スタディサプリ進路」では「教育改革後の世界を生きていく子どもたちには、大学名や偏差値といったこれまでの基準とは異なる、進路の描き方が必要ではないか?」と議論がされてきたといいます。
そして作られたのが、自分の身近な疑問を起点に進路を考えるための『学問探究BOOK』でした。この教材の中では、101名の大学教授や研究者の、身近な疑問が研究に行き着くまでの過程がダイジェストでまとめられています。
身近な出来事や、他愛のない気づきから独自の問いが生まれ、
その問いが、新たな気づきや疑問をもたらし、
気づけば、誰とも違う独自の道を描いていく。
『学問探究BOOK』の中でも、人気のテーマを再編集し、些細な気づきがどんなふうに研究の問いへと昇華されていったのかを、より詳しく書籍にまとめたのが、
この「スタディサプリ三賢人の学問探究ノート」シリーズなのです。
研究者の話をきっかけに、身近な出来事や気づきの中から、次の一歩を進むための種を見つけてほしい。
次世代を生きていく高校生にとって、「志望校」ではなく「志望動機」を見つけるためのヒントになるような本にしたいと、編集してきました。
ところが、その過程で、私たちは気づきます。
研究者たちの言葉は、大人になった私たちにとっても、重要なメッセージを秘めていると。
ただ素直に足が止まる瞬間、もたらされる気づき――自分の「!!!」から始めよう
研究の原点となった「ふしぎ」や「おもしろい」は、言われてみれば、確かにふしぎでおもしろいものばかりでした。
難しい知識などなくても見つかりそうなのに、気づかずにいたもの。
子どもの頃なら立ち止まっていたかもしれないのに、
大人になるにつれて素通りしがちだったこと……。
この本に登場する研究者たちは、そうした小さな「ふしぎ」や「おもしろい」を前に、その都度立ち止まります。
他の人から見たら、よく意味がわからないこともあるでしょう。そんなことにいちいち立ち止まるのは、遠回りで非効率的だ、と言う人もいるはずです。
しかし、その「ふしぎ」や「おもしろい」の前で生まれた気づきこそが、
結果的に、誰とも異なる“自分らしい道”へと、研究者たちを導いていくのです。
自分の内側の「気になる」にただ従い、
素直に足が止まる瞬間にこそ、もたらされる気づきがきっとある。
そこで見つけた「!!!」には
これから進む道を切り拓く力があるのなら、
それは自分の想像を超えた、
でも、自分らしい道につながっているのだとしたら、
私たちは、もう少しだけ 自分の好きなように世界を見てもいい。
大人になっても「ふしぎ」や「おもしろい」に、素直に立ち止まることのできた賢人たちの物語には、
私たちを無意識のうちに縛るものから解放し、
もう一度、自分の目で、自分の好きなように、世界を見るためのヒントが詰まっています。
大人のあなたへも、ぜひこのシリーズを届けたい。
そんな思いで、私たちは、このnoteを始めました。
このnoteでは、「三賢人の学問探究ノート」編集部より、
「自分の『!!!』から始める」ためのマガジンを配信していきます。
今後も、定期的に記事を配信していきますので、ぜひ遊びにきてください。
文・構成:塚田智恵美
イラスト:はしゃ