レンジの違い EUROとパリ五輪
スペイン撃破の可能性はあった
サッカー日本代表のパリ五輪が終わった。
細谷のゴールは、VAR判定でノーゴールに。同点に追いついていたら結果は変わっていたかもしれない。残念で仕方がない。
現状のルールでは、例えばスパイクのつま先がほんの少しオフサイドラインを超えるだけで、すぐさまチェックが入り判定は覆されてしまう。ここでも以前、書いたがFWには酷な時代である。特にDFとの駆け引きをストロングとしている選手にとっては死活問題である。
なかなか決まらないからゴールには価値がある。そのゴールがルール改編で減少してしまうことで、サッカーの魅力が削がれてしまえばそれは本末転倒だと思う。テクノロジーの進化は誤審を減らすが、エンターテインメント性を失うリスクも伴う。どこまで取り入れるかも、ルールを決める側には問われる。
さて、パリ五輪の日本代表と、先月幕を閉じたユーロ2024を見て気付いたのは、シュートレンジの違いだ。モダンフットボールではサイドからのアタックがゴールを奪うカギを握っており、サイドアタッカーが縦に運んでクロスボールを上げるだけでなく、中に切り込んでシュートを打つ選択肢も場面も増えている。
昔のように縦突破だけではモダンフットボールでは通用しなくなっている。カットインしてシュートを打てるか、打ったシュートが枠内に飛ぶか。スペインの1点目も、2点目もミドルレンジからのゴールだった。あそこの精度が強豪国は極めて高い。
三戸ひとりを批判するわけではないが、三戸のミドルは枠を捉えることはなかった。もちろん他の試合では惜しいシュートもあったし、Jリーグでも素晴らしいミドルシュートを決めている。著しく質が低いわけではないが、質を上げる必要性はあると思う。
ユーロ2024でパッと思い浮かぶのはイングランド代表のサカとパーマー、トルコのギュレル。彼らはミドルレンジからのゴラッソな一撃を突きさしている。ドイツのムシアラも鋭い一発を放っていた。
一朝一夕にレンジが広がるわけではない。意識しながら取り込む必要はあると思う。いたずらに打つのではなく、正確性も追い求めながら枠内を狙っていく。
勝負所でのPKで泣いているワールドカップの教訓も含めて、まだまだ課題はある。ひとつひとつ解消しながら、強豪国とノックアウトステージでぶつかっても負けない強さを手にしたい。
おもいのままに。続けます。今日も呼吸ができた。ありがとう!