社会人、にんにく料理っていつ食べてるの/一割嘘日記241001
「五葷」という言葉をご存知ですか?
教えによって異なりますが、ネギ、ラッキョウ、ニンニク、玉ねぎ、ニラ、マンドラゴラなどを指す言葉で、これらは仏教・道教などにおいて精進料理に使用することを避ける野菜です。
五葷は修行には不要な精力を滾らせ、強い香りが修行の妨げになる他、邪悪存在(ドラゴン・デーモン・ニンジャなど)から気配を察知されやすくなるため、排除されるそうです。
古代、食べ物も物資も不足していた世の中で食べるものを選り好みできるなんて大層贅沢な話だと思います。私だったら飢えるくらいならフグに丸ごとかぶりついて絶命する道を選びます。禁欲というのは、一周巡って金持ちのやることということです。
一方で、理にかなっていないというわけでもありません。実利的な話ではあります。
修行の身のみならず、やれスメハラだのなんだのと個人の外的影響を重視する現代社会では、「虚無」に近づくことが真理であると、私は五葷の話を見て思いました。
「虚無」。つまり、外部への影響を限りなく削ぎ落とした状態。
匂い、容姿などの存在感はなく、仕事は早くも遅くもない。会話は最小限、過不足ないやり取りのみ。昼食は手短、いや食べないのもアリ。昇進もサボりもせず、まさにNPCのように――
今、全て理解した――。
三割六分と申します。
この日記には嘘が一割含まれています。
社会人、にんにくっていつ食べてるの
私は訳あって今が社会人一ヶ月目です。
毎週8日間の悠久の午睡と趣味のお料理とサヨナラバイバイし、自らの精神衛生を切り売りする生活が始まっています。
その2つが一気に縮小した際に直面する課題がひとつ。
にんにくっていつ食べてるの?
私は田舎住みなのでそんなに縁はないですけど、都会で二郎系・家系ラーメンを気軽に食べれる同志はどうしてるんでしょう。(トマトが飛来する)
にんにくの香りは48時間は取れないそうです。
私は休みは必ず単発、つまり連休が無いので、退勤から次の出勤まで48時間の間隔が空く瞬間が基本的にありません。
私は異性にも社会的地位にも興味はありませんが、仕事場で疎まれることはやはり避けたいものです。
仕事場で疎まれると何が起こるかと言うと、アグレッシブなパワハラが発生します。しまいには「殺すぞ」としか言われなくなってしまいます。
しかし私の好物と、料理の熟練度と難易度的ににんにくを使った料理って便利なんですよね。
まずは中華料理。にんにくを使わない中華料理は全地上に存在しないとされています。(有名ですね)
あと、パスタ。経済的かつ即席性のあるオイル系のフレーバーは基本的にペペロンチーノの味付けがベースです。
にんにくの主張控えめな好物の料理だとインド料理・カレーやメキシコ料理・タコス等がありますが前者は語るに及ばず、後者もチリパウダー等の匂いが強めです。
食べるもんなくない?
いやないこたないけど。好きなものが多いんですよ。
ふと思うとアメリカ的な食事ってこういった悩みと無縁そうかも。朝はヌテラを塗ったトースト、クイックミルクで飲む牛乳、スクランブルエッグ、ハム……。
昼はりんごとランチャブルズ、夜は……わからないかも。
いや、ただでさえお仕事で疲れてるのに食べ物のことで悩むなんて、なんと愚かなことでしょう。真っ当に生きようとすると時間も奪われ食の楽しみも奪われ。
私には使命が課せられていると、確信しました。
労働にも社会的地位にも縛られることのないユートピアを作り上げなければ……
それでは。
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