5.14 早川千晶さん登壇「死に向き合う 生を見つめる」開催報告
はじめに
府中インドの会、スピンオフ企画で早川千晶さんをお招きした時間。場の動きっていうのもをこれでもかと感じる時間でした。まずは千晶さんのリードがとてつもないパワー。もちろんお話しされているときの熱量も凄い。ㅤ
今回、参加された皆様がそれぞれの「死に向き合う 生を見つめる」を持って帰ってもらうというテーマを持っていました。
そこで、臨死体験されたほの香ちゃんと僕もお話をさせてもらうことになりました。
できたら参加された皆様が
「アフリカには凄いところがある。」
「早川千晶さんは特別な人だ。」
という感想だけで終わって欲しくはない、と。
それぞれの「生きる」「死ぬ」ということについて何か深いところから湧き出る大切なものを持って帰ってもらいたい。そういう願いをもってこの場を創ることになった。
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事前の打ち合わせ
昨日の事前の打ち合わせでも、千晶さんのリードはさすがでした。休憩をどこに挟むか、チャイはいつ飲むか、全体的にどういう流れを意図するか。柔和ながら厳しくデザインされていきます。
三々五々に参加者が集っていきました。
講演会スタート
講演会がスタート。具体的な内容は是非どこかで千晶さんのお話をどこかで聞いて頂きたいです。以下、簡単な概略に沿えて独断と偏見で、場がどんな風に動いたかをお伝えします。
千晶さんのキベラスラムの概要やそこから見える格差、そしてそこで生きる人間達の息づかい。絶望的状況の中で立ち現れてくる希望。命というものはどんな輝き、奇跡、つながりを見せるのか。話される千晶さんの熱量は留まることを知らず。
後ろから眺めていて前方で命の熱量を発している千晶さんと後方には当然温度の差はあります。しかし徐々にその熱は伝わっていき、1時間の講演が終った後には部屋全体が熱を帯びていました。実際に2,3度温度上がっていたのではないでしょうか。
パネルディスカッション
そのまま、ほの香ちゃんと僕も交えてのパネルディスカッション。
まずはほの香ちゃんの臨死体験のお話。少し不思議な体験も含めて開いてくれた。そこで感じた愛と感謝。どういった人にも慈愛を向けるほの香ちゃんの眼差し。
ほの香ちゃんのお話の後にはまた場の空気感がちょっと変わっていたような。上がっていた熱気が少し静かになりまた水面が落ち着いている。でも、奥には温かみがあるような落ち着きとでも言ったら良いか。
ここで僕もお話させて頂きました。僕が事前に定めていたお役目は、どこかしら橋渡しになること。ともすると、千晶さんやほの香ちゃんは「特別な」人だけが語りうる体験になりかねないんじゃないかと思っていましたから。
少なくとも以前の僕はそう思っていたので。
「彼らに引き換え僕は特別じゃない。何とかして特別にならなければ!」
そんな風にやっきになってた過去があります。
一人でもそういうことで悩む方がおられるとしたら、その気持ちは僕には痛いほどわかる。その観点から、僕なりにお話しさせて頂くのが今回の僕のお役目だろうと。
そして僕たちのお話に、ファシリテーター役だった常寛さんが最高の合いの手を入れてくださる。絶妙な受け取り手であり、仏教的な視点も交えて解説して頂きました。
千晶さん、ほの香ちゃん、僕の話が個人の話だけで無く、仏教的にもこう言われています、という解説を入れて下さることでより受け取りやすくしてくれていました。ㅤ
チャイタイム
パネルディスカッションの後にチャイをお配りする。人の移動もあり、少し場がまた動いていく。ある程度近くの方々とのシェアなどもして頂き、近況報告をし合う方や初めましての挨拶をされる方も。空気感としては少しバラバラになり、楽しむ時間をそれぞれに過される。
オープンマイク
それからしばらくして、もう一度場を締め直してくれました。オープンマイクというもの。誰でも思ったことや感想、場合によっては質問などを投げかけて頂く時間。ㅤ
70人以上が集う場。そしてテーマがテーマ。思いを伝えるのはそう簡単ではなさそうです。ところがところが、時間いっぱいまで手を上げてシェアして下さる方々。時に涙を交えつつ、ご自身の様々な思いを伝えて下さる。生にまつわる話、死にまつわる話。
どのお話も命の根源に近いところから紡ぎ出されているようでした。そこで応対する千晶さんの学びしかない背中を見せてくれました。
以下常寛さんの言葉。
「千晶さんのどんな質問に対しても、その質問してくださった方の思いや気持ちを決して軽視せずに、後押ししたり、受け入れたり、共感したりする姿に、いのちの大肯定を感じたのでした。」
千晶さんの姿、そしてその姿をこうしてまとめられる常寛さん。二人とも何と素敵なのか。
参加された方はそれぞれ何かしら持って帰って頂けたのではないでしょうか。
ちょっと考察
なぜあれだけの場が創られたのだろうか。不思議な気持ちがありました。
初めましての方が多いあのような場で、お一人お一人がアフリカなどどこかの話では無く自分事として、生きること・死ぬことと向き合うことで、強い熱気やすーっと静かになるような場、お一人お一人の心の動きがあったからだろうと思います。
そこをまず思い描いたのは早川千晶さんでした。あの柔和ながら厳しく場をデザインされていたのは改めてここに繋がっていました。一人一人が源に立ち帰れるような場作り。命への信頼がそのパワーの発生源だったのではないかと。
同時に共に居合わせた皆様お一人お一人がその流れに呼応したことで共に創り上げられた場。
終わった後僕個人にもメッセージを色々頂きました。
「あの場から大切な問いを頂きました」
そんな言葉もありました。
もちろん僕もそうです。多くの問いや課題を頂きました。それはこれからの人生をかけて問われ続け、探求を続けていくだろなというものも。ㅤ
今回様々な方々の協力によってあのような時間を創り出すことができました。ご協力下さった皆様、本当にありがとうございました。
様々な形で距離がある方々の応援もあったようにも思います。そんな方々にもこの場をお借りして、御礼申し上げます。
いくつかお知らせ
6/23(金) 東京外国語大学「精霊と踊るタイコ ~ケニアのドゥルマからのメッセージ~」AFRICAN LIVE 大西マサヤ&早川千晶
「精霊と踊るタイコ ~ケニアのドゥルマからのメッセージ~」
日時:2023年6月23日(金)17時40分から19時10分
会場:東京外国語大学府中キャンパス・本部棟大会議室