DCS WORLD F-14 TOMCAT STTモードでのAIM-54フェニックスの発射ガイド
Eagle Dynamicsによるフライトシュミレータ、DCS Worldの人気モジュールHEATBLUR F-14 TOMCAT。今回はそのF-14の代名詞的な空対空ミサイル、AIM-54フェニックスとパイロット席からの発射方法について紹介したいと思います。
AIM-54フェニックスの紹介
先ずはミサイルの紹介から。AIM-54フェニックスは当初、F-111Bの海軍戦闘機仕様で使用されるように設計された長距離空対空ミサイルです。結局海軍戦闘機仕様は開発されずAIM-54フェニックスはF-111Bの開発計画から派生したF-14のみに搭載されるとになりました。
F-14には最大6発のAIM-54ミサイルを搭載することが可能で、4発は胴体下のパイロンに、2発はグローブパイロンに搭載します。DCS内ではそれぞれ胴体下が左前方が3番、左後方が4番、右前方が6番、右後方が5番、グローブパイロンは左が1B、右が8Bが対応パイロン番号になります。
ただしAIM-54ミサイルを6発搭載した場合、発艦はできますが6発搭載したままではたとえ燃料がゼロでも着艦重量を超えるため、2発を投棄または発射後でないと着艦ではできません。空母ベースの作戦では注意してください。
ミサイルは冷却システムを使用しているため、6発全て搭載するには機体下部前方(3番および6番)のフェニックスパイロン2基は常に取り付けられていなければなりません。前部のパイロンがない場合は後部パイロンは使用できません。グローブパイロンには独自の冷却システムが搭載されています。
DCSではAIM-54ミサイルのいくつかのバージョンの内、AIM-54A-Mk47とAIM-54A-Mk60、AIM-54C-Mk47の三種類が実装されています。AIM-54Aの2つのモーターは有効射程距離に違いがあり、AIM-54Cはアナログシーカーの代わりにデジタルシーカーを搭載して性能を向上させており、さらに改良された無煙のmk47ロケットモーターを搭載しています。
ゲーム内でのデータ
それぞれのゲーム内での基本的なデータを記します。いずれも誘導方式はセミアクティブ、最終段階でアクティブホーミングです。
AIM-54A-Mk47
重量:447.7kg
推進力:14.951kN
エンジン燃焼時間:27秒
最大射程:120NM
最大速度:マッハ4.5
Gリミット:18G
AIM-54A-Mk60
重量:471.7kg
推進力:17.020kN
エンジン燃焼時間:30秒
最大射程:140NM
最大速度:マッハ4.5
Gリミット:18G
改良点:射程の向上およびロケットモーターによる発煙が若干減少しています。
AIM-54C
重量:465.6kg
推進力:15.7231kN
エンジン燃焼時間:27秒
最大射程:130NM
最大速度:マッハ4.5
Gリミット:18G
改良点:新しい誘導システムおよび無煙ロケットモーター。この改良は、イラン革命によってA型の情報が東側にリークした可能性を受けて行われたと言われています。
このようにいずれの型も最大射程が100NM(およそ185km)を超えるミサイルです。現代のAIM-120C AMRAAMでも最大射程は57NM(105kmほど)といわれているので、いかに長射程かがわかります。しかし最大射程で目標に当てることはかなり難しく、海外の掲示板などでも戦闘機などの機動性の高い目標を攻撃する際は50~60NMでの攻撃を勧めています。
発射準備
AIM-54 ミサイルの準備。パイロットACMパネル(パイロット席のHUD下にある、武装関連制御盤です)のMSL PREP(1)スイッチをONの状態(写真の状態)にしてください。ミサイルへの電力供給と冷却が可能となり、ミサイルに組み込まれたテスト(BIT)が開始されます。
問題がなければ約二分で発射準備が完了します。
交戦
敵機がいると思われる空域に入ったら、マスターアームスイッチ(2)をONにしましょう。このままだとスイッチが動かないので、一旦赤いロックをクリックして外してからスイッチを動かします。
次にディスプレイ関連を空対空モードA/Aにします。右正面のパネルからA/Aスイッチ(3)を押します。
4のスイッチは必須ではないのですが、このスイッチで一番下の正面ディスプレイが後席RIOのレーダースクリーンと同期され、より効率的に交戦できます。
後席のRIOから敵機補足の連絡が入ったらいよいよです。
先程同期したスクリーンを見てみると、スクリーン中央やや上の部分に白い^のようなものがあります。これが敵機です。このスリーンは上を自機の進行方向として、上空からの俯瞰視点で表示されています。詳しい情報として、^から伸びる線は敵機の進行方向と速度を、^左の数字3は敵機が高度25000〜35000フィートに位置すること示しています。この時点ではまだミサイルの発射に必要なロックオンは行われていません。
ロックオン
ではいよいよロックオンです。先ずは兵装からAIM-54を選択してください。このスイッチは実際は操縦桿についているため、個別に設定からキーを割り当てる必要があります。
続いて、Aキーを押してJESTER(RIO)メニューをだします。この画面ではCTRL+数字キーで様々な指令が出せます。通常敵機を捕捉した状態でAを押すとこの画面が出ます。これは通常のメニューからBVR(Beyond Visual Range視程外射程)に進んだ状態です。ここからさらにCTRAL+2のSTT LOCKを選択します。
これは正式には(PD STT SARH、パルスドップラー・シングルターゲットトラック・セミアクティブレーダーホーミング)とよばれ、このモードでは自機のレーダーを常に敵機に照射しその反射でミサイルを誘導します。メリットとしては有効射程や命中率に若干の向上があり、デメリットとしては基本的に敵機にミサイルが当たるまで敵機に機首を向けて、ロックオンし続ける必要があるということです。実際にはいくつか攻撃方法があるのですが、今回は一番簡単なこのモードで攻撃します。
さらにメニューが進むのでもう一回CTRL+2を押して正面の敵機をロックオンを選択します。
これでロックオンが要請されました。
ロックオンが完了するとHUDが切り替わります。上部の菱形が敵機を表し、左側縦の10以下のドットは敵機の接近率を、右側縦の100以下のドットは敵機との距離を10NM単位で表します。それぞれ<と>が敵機の現在の情報です。下のPHはAIM-54が選択されていることを、されにその下の数字は残弾数を表します。
発射!
以上で発射までの手順は終了です。敵機までは55NMほどなので十分射程内です。
トリガーを引いてミサイルを発射しましょう!
通常、ミサイルはトリガーボタンを3秒ほど押し続けることでミサイルが発射されます。例外もあるのですが今回のモードでは約3秒です。
発射に成功すると、HUD上は残弾数が一発減るだけで大きな変化はありません。
以降はミサイル命中までVDI(HUD下の画面です)に注目してください。
これはAIM-7スパロー発射時ですが、AIM-54ミサイル発射時も同じです。
注意すべきは画面中央の黒い丸(ASEサークル/Allowable Steering Errorサークルと呼びます)と1のTを逆にしたシンボル(敵機を表します)です。このASEサークルの中に1がつねに収まっているようにしてください。そうしないとレーダーを照射し続けることができなくなります。
AIM-54ミサイルはSTTモードの場合終末誘導まで全てセミアクティブレーダーホーミングのため、敵機をASEサークルの中に収め続ける必要があります。
ちなみに先ほどの一番下の画面を見てみると、ターゲットシンボル右に数字が追加されています。これはミサイル命中までのおおよその時間を秒で表したものです。数字がゼロになった際ターゲット命中すること祈りましょう。
以上で今回のガイドは終了です。お付き合いいただきありがとうございました。
質問ご指摘等ございましたら、遠慮なくお願いします。
更新
TWSモードで多目標とAIM-54で交戦するガイドを新たに書きました。よければご覧ください。
https://note.com/sanitas29/n/n85bef222863f
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