当社東北相談室室長の清野が心理臨床学会シンポジウムに登壇しました(JES通信【vol.154】2022.10.11.より)
2022年9月2日(金)から25日(日)にかけてオンラインで行われた第41回日本心理臨床学会のシンポジウム、「公認心理師の各分野における連携とその課題」に、当社東北相談室室長の清野俊充が登壇しました。
■公認心理師に求められる連携
公認心理師の連携については「…(中略)…、保健医療、福祉、教育等が密接な連携の下で総合的かつ適切に提供されるよう、これらを提供する者その他の関係者等との連携を保たなければならない」と法の中で示されており、それぞれの場で関係する専門職の人々との連携が不可欠です。他の職種との連携や紹介の必要性が生じる可能性を見極め、実践するための知識やスキルが公認心理師には求められています。
■外部EAPにおける連携の実際
シンポジウムでは公認心理師が働く「産業、保健医療、福祉、教育、司法、私設」分野のうち産業の代表として、清野から「外部EAPにおける連携の実際」と題して職場と連携・役割分担した復職支援について話題提供しました。
座長からは、「職場復帰に向けて、公認心理師が個人情報の取り扱いに細心の注意を払いつつ、本人、企業、事業場内産業保健スタッフ各々が合意できるようコーディネートすることは、従業員の復職継続の可能性を補強する」とのコメントがありました。
■他領域のシンポジストがあげた連携の特徴
他領域のシンポジストからあげられた連携の特徴は以下の通りです。
<保健医療>外部連携は医師の診療情報提供書を中心に行うことが多い
<福祉>個人を地域社会へとつなぐソーシャルワーク力が必要なことが多い
<教育>学校と医療など、専門性の異なる機関との橋渡し役を担うことが多い
<司法>関係機関に援助や協力を求めることができる旨の規定に基づいて連携を行うことが多い
<私設>連携同意を取る機会を逸すると関係者へ情報提供できない事態が発生するため、タイミングや取り方を工夫することが多い
■どうすれば復職後も生き生きと働くビジョンを労使双方が描けるか
当社では企業ごとに異なる職場復帰の手順や仕組みの理解に努めたうえで、休職者の職場復帰をサポートします。その際、相談の守秘性を担保しつつ人事・産業保健スタッフ、管理職との丁寧な情報共有を心掛け、「どうすれば復職後も生き生きと働く(働いてもらえる)ビジョンを労使双方が描けるか」という視点でご本人・関係者と関わります。また、必要に応じて医療機関をはじめとする外部機関と連携して対応を行うため、カウンセラーには各シンポジストが述べた特徴も総合的に求められます。