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店長が勤続35年で培った働き方と人格

こんにちは!
マイクロアドチャイナのはるです。


2021年4月の私は困っていました。

3月に会社を退職し、4月から中国へ行こう!と意気込んでいたのですが、
コロナで就労ビザがまったくとれない。

しかもいつ取得できるかわからないので、
先の計画を立てづらいという、、


もう1点、転職や引っ越し、新しい生活にお金がかかりまして
短期のアルバイトないかなと探しておりました。


しかし、すっごい田舎なので
なかなか都合のよいアルバイトがない、、、


うーん、、、
一か八か普通に応募して、面接で相談してみるか。


学生時代が長かったので、
アルバイトもいろんなジャンルを経験してきました。

塾・家庭教師・日本語教師、中華料理・居酒屋、リラクゼーション、巫女、
結婚式場、Youtube広告系などなど

途中からお金稼ぎなのか、バイトがしたいのか
曖昧な感じでした(笑)


せっかくなので、新しいジャンルにトライしたいなと
ちょうど急募とあった「スーツ」のお店に早速電話をしました。

猫の手も借りたいけど、今は閑散期

営業をしていたので、
スーツは自然と触れる機会が多かったです。

スーツって好きな人と苦手な人が分かれるかもですが、
わたしは着るのも見るのも大好きなんです。

営業の合間に
よくスーツ屋に足を運んでニヤニヤしていました(笑)
店員さんの着こなしもとっても素敵!!!

そんな感じなので、
今回募集があるってすっごくうれしいなと。これは運命だなと。(笑)


お店に着くと、
まるまるっとした背の低い男性が手招きしていました。

お腹ポッコリ、スーツがよれている、、
靴にも若干よごれがあるような、、、
鍵のついたチェーンを腰からぶら下げていまして、
それを片手でぶんぶんまわしている。


なんだろう、、、ちょっと想像していた店員さんじゃない?


男性「はじめまして、店長のまるです。」

あ、店長さんなのね!



え、ええええええ



店長「はるさんはいつまで働けます?うちは正月と3月が繫忙期で、
   とにかく今から鍛えて、そこで活躍してもらいたくて」


ま、まさかの1年後想定、、、
これは落ちたな(T_T)


はる「実はこういう事情で、ビザが取得できましたら、中国へ渡航する予定でして、、」

店長

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店長「わかりました。結果は1週間以内にお伝えしますね。」


・・・お、おわった、、
まあ、わたしが採用する側でも困りますわ。



気を取り直して他を探そうとしていたときに
まさかのOK電話が。


・・・( ^-^)よ、よいのか

店長の立場が誰よりも低い

話を聞いていると、
田舎は若い人が集まらない&主婦の方は夜や休日が働けないことが多く、
わたしは時間だけはあったので、
なんとか直近の穴埋めとして最適だったという。


よかった、ご縁があったようです。
ちなみにメンバーはこんな感じです↓

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店長以外の従業員さんは
まさにスーツ屋という感じの着こなしや雰囲気!
みなさんいろんなスーツをお持ちなので、
毎回シフトが重なったときに、拝見するのが楽しみでした。


主任はクールな感じですが、接客は物腰柔らかで
安定の売上を誇っています。

女性の方はほんとうにお綺麗&可愛らしく、
全世代から愛されている、お人柄もすてきな方です。

お店の雑務も基本的にお二人がこなしていらっしゃいました。


なので、シフトが店長と2人のときは、
どこに何があるかわからないという(笑)

そして処理が雑だと、次の日主任に注意されるという、、、


店長は相変わらず第一印象のとおりで、
お客さんがいない時間はゲップもおならも鳴らしますし、
野球中継を見て騒いでいたり、下ネタ発言と、

ただの猫背なおじさん(笑)←失礼

だんだん働いていくと分かってくるのですが
お客さんは田舎のおじいちゃんやおばあちゃん、
就活生とお母さんが多く、
私が東京で足を運んでいたスーツ屋とは全く異なります。


なので、あまりカチッとしすぎるのも
お客さんが嫌厭してしまうようで、
どんな方でも気楽に入ってきてくださいね~という雰囲気をつくっているのかな?と解釈します。(笑)



お店に人がいない間は
基本的にずっと、本当にずっと店長がしゃべっています。

新卒から一筋でこちらの会社に勤務し、
スタッフ、本社勤務、店長職など、どんなことを経験してきたのか、
海外嫌いで、自分は行きたくないだとか、
不〇をしてご家族と疎遠でさみしいお話などなど。


反応に困る部分もありますが、
たくさん頑張ってきて、いろいろ試行錯誤した結果、
一番自分にとって自然でいられる働き方が今のスタイルなのかなと感じます。


「ちゃんとするときは、ちゃんとするんやで」


実際、お客さんからの指名が多く、
接客は3人の中でダントツで物腰が低いんです。

お客さんがお店の駐車場に入ると、
誰よりも早く気づきますし、急に接客モードに変わります。


え、こんな声どっから出るの?
しかもやや高めの聞きやすい感じ。さっきまでのガラガラ声はいずこに??


自分が接客をしていても、
お店全体の動きに敏感ですし、
誰よりも機敏なのも、普段とまったく違う!


オンとオフが激しすぎる、、、


これが接客業なのか、と感心させられてばっかりです。


わたしに対しての研修も
ちょうどよいレベルやペースで指導してくれます。
人に教えるのってむずかしいじゃないですか。
しかも全然アパレルやったことがない人にって


オフのときは足し算できるの?!ってくらいの印象ですが、
売上などに関する数字管理もとても厳しいです。

とくに、店内の掃除はかなり力を入れて行います。

もちろん商品の手入れも。

これまでいろんなところでアルバイトをしてきましたが、
こんなに強烈な印象をもらった店長は初めてです。


店長~またやらかしてる~!

とブツブツ言われている場面もよく見かけますが、
きっとこういう方だから、いろんな人がついていくのかなと。


知らせは突然やってくる

そんなこんなであっという間に2か月が過ぎたころ、
ビザが急に通ってしまったのです。

う、、いつか来ると思っていましたが、早すぎて非常に伝えづらい、、、
まさかのたったの2か月で、、、
コロナの状況から
あと半年~1年くらいは渡航厳しいかなと感じていましたので
嬉しいことなのですが、
大変ご迷惑なやつになってしまいました(T_T)

私「店長、本当に申し訳なく、」

店長「えええええええええええええええええ」



あああ、大変恐縮すぎて、、
今これを書いていてもあの時の居たたまれなさを思い出します。


ようやく使いものになってきたのに、
こんなあっさりと去っていくという、
分かっていたことですが、すごく失礼ですよね。

しかもその日は店長と二人きり、、
感情に素直な方なので、
ずっとあーだこーだと文句言われそ、、、



店長「よかったな!がんばってこいよ。
3か月して、やっぱ違うなとか、なんかあったら、いつでもここにおいで!」



え、これはオンなのか、、
いや、店内誰もいないし、、


その日からやっぱり文句は言っていましたが、
最終出勤日までずっと応援してくれました。

他の従業員の方も同じ反応で、
いつも通りの厳しく、ゆるく、あったかい職場でした。



2021年最初の出会いは
田舎のスーツ店の3名です。


ここには書ききれないスーツや洋服のおもしろさ、
接客業とはどういったことなのか、
誰かに見守ってもらう嬉しさ、
本当に濃ゆい経験をさせていただきました。


あれから5か月が経った今、
こっちで元気に頑張ってるよと伝えたいのですが
店長はメールアドレス(個人)すらないというアナログ人間、、、


今度日本に帰ったら会いに行こう(笑)







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