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広告営業:秘密が多いのはミステリアスではなく困惑なのだ

こんにちは!
はるinチャイナです。


最近横に座っている先輩が
ちょっとだけプリプリしている。

どうしたんです?とつっこんでみると
どうやら広告代理店さんと話がかみ合わないとのこと。

「おれはこんなに熱があるのに」

パイセン、
あなたの熱が上がるほど
メールでの圧も強くなってるんすよ


しゃべるとこんなに情熱的で優男なのに、
メールだけのやり取りだと、ただのちょっぴり怖い人(笑)


うちの会社は上海にあるので、
日本とやり取りするのは、Web会議かメールが基本です。


すべての行程がメールのみの場合もあります。


わたしもメールだけは苦手です
なんとなく冷たく感じてしまうかもなので。


今日は広告代理店や中国の広告のお話をちらっとしたいと思います~
今回やや長いです!💦


直販と代理店経由

広告会社がお取引きをする際に、ざっくり2パターンあります。


一つが「直販」です。

会社と会社がお取引きをする際、
2社の間に他社をはさまずに、
直接お取引き=直接販売を行うことを「直販」とよんでいます。

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この場合、自分で直接クライアントのニーズを聞き取ることができるので、
スムーズに提案を進めることができます。
費用もこちらで把握しているので、
どれくらい利益を残して、広告にかけるかなど、すべて透明に行えます。

もう一つは、「代理店経由」です。

クライアントとその会社の間に、いくつか別の会社がお取引きに入っています。

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見かけ上、クライアントからは総代理となっている広告会社とのお取引きになっています。

総代理は案件の内容によって、お手伝いしてくれる広告会社を探すときがあります。
たとえば、今回の提案に下記が必要だったとします。

1 日本でイベント開催
2 韓国で広告配信
3 中国で広告配信

1~3をやってくれるところないかなと探していると、
B社がいけそうだと。

B社はイベント提案に強いが、
アジア向けの広告はいつもC社と協力している。

そこでC社にお願いすることに!
ただC社は中国での広告がそこまで得意ではない

われらの会社にお声がけがくると。

こうした場合は、
C社がうちとの直接お取引する相手となります。

中国でデジタル広告を出すには?

案件ありがたいです!
早速とりかかりましょう!

C社からどんな広告を流したいか
メールがやってきます。

例)
-------------------------
・クライアント:製薬会社
・サービス/商品概要(URLなど)http:~jp/
(広告をクリックしたとび先は中国語のランディングページ)
・広告配信期間:2週間
・掲載広告の尺(動画):30秒以内
・広告配信費用:50万円(日本円 税別)
・配信ターゲットについて:添付資料みてください
 エリア:中国2級都市以上
 年齢:指定なし
 性別:指定なし
 興味関心:添付資料みてください

・目的:商品認知及び最終的には購買につなげたい
-------------------------


ふむふむ、
ざっくりとは50万円(税別)の費用をうちに預けるから、
それを使って今回のターゲットに動画広告を流したいよ
っということですな。

ただ、これだけの情報では広告プランを考えることはむずかしいんです(-_-;)
というのも中国の広告規定はいろいろややこしい!!


たとえば、
・「広告をクリックしたとび先が中国語のランディングページ」とあります。
C社の担当者はこんなイメージを描いているとします↓

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基本的に中国でデジタル広告を出すとき、


① 広告主(広告を出したい人・企業)と、最終的なとび先URL(今回でいうとランディングページ)を管理しているところの名義が同じ
➁ とび先のURLドメインが中国である

・・・


などのような条件があります。


え?どゆこと?ドメイン??ってなった方、
安心してください!
ちゃんと説明します(笑)!


① について

今回の広告主はクライアントの製薬会社です。
なので、最終的に広告をクリックした人に見てもらいたいたいとび先URL=ランディングページを管理・運営している
名義も同じ製薬会社でないとだめです。

C社はそこについては詳しく触れていないので、
我々は確認が必要です。
おそらくクライアント日本法人が広告主で
同じ日本法人が管理しているURLだと推測します。

じゃあまずは問題ないじゃん?

って言いたいのですが、条件➁があるんです(T_T)

中国で広告出稿=中国法人+中国ドメインが必須?!


中国ではICPというものが存在します

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まだ逃げないでください(笑)
これは中国で広告をするにはほぼ避けられないものなんです、、、!


まずいったんおいときまして、「ドメイン」についてさらっと

インターネット上のWebサイトに行く(アクセスする)には、
そのサイトがどこにあるか分からないとですよね。

このどこにあるか=住所にあたるものが「IPアドレス」といいます。
ただ、IPアドレスは数字とピリオドで表現されているので
人間には覚えにくい💦


そこで出てきたのが「ドメイン」です!
IPアドレスをわかりやすい文字列に直したものなんです。
メールアドレスとかもドメインが使われているので、覚えやすい!

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このドメインを取得するには
TDL(トップレベルドメイン)を選択する必要があります。
・・・なんか凄い名前だ(笑)

たとえば、
com・・・世界で最も使用されており、「Company」という意味のドメインです。
net・・・ 「Network」という意味のドメインです。
tokyo・・・「東京」という意味のドメインで、東京に関するサイトであることを、ドメインだけで伝えることができます。

そして日本で多いTDLといえば、co.jpですね!

これは日本国内に登記が無ければ使用できないんです。
その分、日本法人であることの証明にもなり、信頼性が担保できます。
1組織で1ドメインだけ取得可能です。

話はもどりまして、
中国ももちろん同じような仕組みがあります。
日本のco.jpがありましたが、中国は .cnになります。
このドメインを取得するにはICPを獲得しないといけないんです。

ICPとは??


ICP(Internet Content Provider)とは、
中国政府が中国でどんなWebサイトがあるのかを把握するためにつくった
各Webサイトの管理番号のようなものです。

中国でWebサイトを開設するとき
誰がWebサイトの管理人なのかについて、国に届け出をしないとなりません。

これがないと、中国ドメインがもらえないんです。

ICPには2つ種類があるのですが、
いずれにせよ中国に現地法人があることが申請条件です。

これが外資企業がICPをすぐに取得できず、困っている原因です。



(。´・ω・)ん?
しかし、そもそもなんで中国ドメインが必要なんでしょ?

たとえば、今回の製薬会社も日本ドメインの公式Webサイトがあります。
インターネットは世界共通なのだから、
日本ドメインの公式サイトに中国語の翻訳つけたら、べつにわざわざ中国の公式Webサイトを作らなくていいじゃん!


そんなツッコミを入れた方はナイスです。
こちらも、もう一つ中国のややこしいポイントです。


耳にされたことがあるかもですが、
中国のインターネットは政府によってかなり厳しい統制が行われています。
俗にいう「グレートファイアウォール」です。
万里の長城のgreat wallをもじっているとかなんとか、、、(笑)

中国国外の情報が国内に入るのを制限しているので、
例えばGoogle系のものは今でも見れないです。

こんな感じなので、日本のドメインのものは
Webサイトが開くまでに時間がかかるものが多い
という。

スマホでインスタグラムを見てた時に
「あ、なんか面白そ、気になる」っていう広告をクリックしたら、
全然サイトが開かないって、待ってられないですよね。

もう一つ大きな理由としては、広告を掲載したい中国のメディアからICPについて要求されることがあるからです。


なので、中国で広告を流す際には
基本的に中国ドメインがあることがベスト
なのです。


ミステリアスな代理店営業


ここまで、長かったですね、、
貴重な時間の中、ついてきてくださってありがとうございます(笑)


ドメインやら、ICPやら、色々出てきましたが、
今回伝えたいのは代理店経由案件の話でした(笑)


めっちゃ戻りまして、
すてきな案件をもってきてくださったC社さん。

ただ、情報が少なすぎると、
いろいろ確認事項が増えていきます。


代理店経由の厄介なところは
クライアントやら、総代理やら、いくつの代理店を経由しているのかなど。
もろもろ共有できない情報が多いということ。

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たとえば、「Wechatのモーメンツ広告がしたい」っといわれても、
本当にそれがベストなのか?という確認が必要です。

実際に広告をかけたときに
クライアントがゴールとしているところにもっていけるのか
最初の戦略が大事ですよね。

なので、クライアントがどういう状況にいるのか知りたいのですが、
C社もB社から、B社も総代理からヒアリングして、
それをさらに総代理→B社→C社→うちと伝達すると、時間がかかってしまいます(T_T)


もちろんゆとりがあればよいのですが、
「2日後の午前までにはプラン出して」となると、
もちろんプランは頑張って出すのですが、
不確定要素が大きいままの提出になってしまうケースも。


お互い歯がゆいところなんです、、、



そんなこんなで代理店さんにツッコミのメールを送りすぎて、
向こうからのレスがうすれてしまってしょぼんな先輩。


先輩「ちょっとアメのメールを送ってみる」


どれどれ、、ふむふむ、、、


メール本文抜粋

「差し支えなければWeb会議をセッティングさせてください。」


( ^ω^)・・・

ぱいせん、、、これは優しさ伝わるかな、、、


なんだろう、

「いつもお世話になっております。ウインク(^_-)-☆

僕の質問内容、メールだとわかりづらいかなって(TдT)

口下手で何度もお手数かけてすみませんつД`)・゚・。・ ゚゚・*:.。.. 。. :*・゚

もしよかったら、一度電話かWebでお話しましょう!(´◠ω◠`) 」


こんな感じで顔文字とか追加できたら、、、ちがうか(笑)




今日もそんな感じで広告会社は互いに奮闘しております(笑)
ありがとうございました~~!!


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