目の言葉と耳の言葉――1つのものを2つに分けないことの効用
少し前から、本を読んでいても頭に入ってこないことがあって、私が変わったのか、それとも外が変わったのかと、考え込んでいました。しかしなぜか、面白いと思う本や、すっと頭に入ってくる本もあるのです。
それで、どんな文章ならすっと頭に入るのだろうと思って、いくつかの本を開いているうちに、外山滋比古さんの『日本語の感覚』に行き当たったのでした。そこには、明治期以降に始まった、言文一致運動のことが書かれていて、「ああ、忘れていた」と想い出しました。ここが、あらゆる問題の肝なようにも思っ