これから Logseq(ログシーク) の話をします…
こんにちは、Choimirai School のサンミンです。
【主要なアップデート】
(新着)新しい情報を随時アップデートしていく予定です。
0 はじめに
2002年からですので、あれこれ18年間 Personal Knowledge Management (PKM) に興味を持ち様々なツールを使ってきてます。今まで使ったツールを振り返ってみると、いくつかのフェーズに分けられることに気づきます。
・フェーズ1:2002年からブログを始める
・フェーズ2:2003年(大学3年)からPloneを使って個人用のWikiを作成
・フェーズ3:2004年に就職してからは Australian の Confluence に移行
・フェーズ4:2008年から Evernote + Google Docs
・フェーズ5:2015年から Dropbox Paper + ひとりSlack で管理
・フェーズ6:2020年1月から Roam Research(以下、Roam)
情報管理に興味がある方ですと時代とツールの変化にあわせて似たような道を歩んできたと思います。最近は、Notion、Scrapbox、Dynalist などを利用されている方もよく目にします。
そして、Roam Researchを使い続けて2年半。
その間書いたページは全部で15000ページを超える。メインのツールとしてはRoamを使い続けていますが新しいリリースがある度にLogseqやObsidianの最新情報で自分をアップデートするようにしています。
2022年4月にリリースされた0.6.6を試したところRoamで求めていたいくつかの機能が使いやすくなっていましたので10日間使い続けています。
最初はRoamが8割でLogseqに割いた時間は1日の2割程度。が、使い始めてから1週間が過ぎてからは半々ぐらいの割合でLogseqを活用しています。
最近はLogseqを利用されている方も増えていて、中にはShopifyの創業者でCEOのTobiさんもその一人です。
Tobiさんは、2020年からRoamを使っていて、Logseqを使っているのは2021年からだったようです。
ところが今は全ての知識をLogseqで管理しているとのことです。
今回の note では Logseq の特徴について説明させていただきます。基本的な使い方はRoamとほぼ一緒ですので、Roamとの違いに焦点を当てたいと思っています。
1 この note の対象
一人で考えたり、書いたりする時間をある程度持つ人。言葉で考える習慣と相性が良いので、研究者や学生、プログラミングをする人や、文章を書く人には特に読んでもらいたい。
また、Notion, Dynalist, Scrapbox、Roam を使ったことがある人はより早く Logseq の使い方になれるはず。Roamとの違いにフォーカスを当てていますのでRoamが初めての方はこちらの note を先に読むことを勧めいたいです。
下記図にはLogseqへ影響を与えたシステムが紹介されています。Logseq機能の多くがRoamから採用されていることがよくわかります。
Daily NotesやBacklinks(Bi-directional Links)が初めての方は下記の用語集も合わせて参考にしてください。
2 Logseq(ログシーク)ってなに?
Logseq のサイトにはこう書いてあります。
簡単にいうと、いろいろと手軽に書けるメモ帳。同時に、自分の代わりに情報のつながりを記憶してくれる強力なデータベースです。
Roamを2年半使い続けた筆者が10日間毎日「作業ログ」や「勉強日記」として Logseq を使った感想は、検索できる第二の脳が出来上がっている印象です。
Logseq を何日か使ってみた後は、Memex に関する記事を読んでみてください。この時点で、Memex に一番近いツールは Roam だと思います。
3 Logseq の特徴①:ローカルファースト
Logseq の特徴は数多くありますが、今回の note では Roam にはない機能にフォーカスして4つ(①ローカルファースト、②PDFのハイライト及び注釈、③タスク管理、④間隔反復・想起学習)を紹介します。
まずは、ローカルファーストからです。Personal Knowledge Management(PKM)システムの話になりますと動く環境によって二つに分かれます。
■ローカルで完結
■ウェブ上で動作
Roamをローカル環境で動かすこともできますが機能面で多くの制約があります。一方で、Logseqはローカルファーストの理念で作られていて全てがユーザーのパソコンにあるフォルダから動くようになっています。
全てのデータはローカル環境で保持されていますのでプライバシーを心配することもありません。
ローカルのアプリ上で起動しますが<iframe>を利用することでウェブサイトを埋め込むことも簡単。下記のツイートはYouGlishのサイトを埋め込んだ時の様子です。
但し、ローカル環境で動くゆえに発生する弱点もあります。例えば、クロームブラウザが提供する拡張機能が使えなかったり、自らバックアップを準備する必要もあります。
バックアップを取る方法はまた別の note でシェアする予定です。
4 Logseq の特徴②:PDFのハイライト及び注釈
RoamでもCSSを変更してハイライトの色分けや注釈をつけることができます。但し、PDFに対し、ハイライトや注釈をつけるのは簡単ではありません。
一方で、Logseqには備え付けのPDF機能があって、Zoteroで保存したPDFやアセットとしてアップロードしたPDFにハイライトや注釈を簡単につけることができます。
Zoteroとの連携も簡単な設定だけで構築できますので論文をよく読まれている方は要チェックです。PDF機能はテキストだけでなく、領域を選んで貼り付けることもできますので論文の図形やテーブルを選んでコピーすることもできます。
テキストの抽出は英語だけでなく日本語を含め、他の言語にも対応しています。
5 Logseq の特徴③:タスク管理
Roamでのタスク管理は基本、TODOとDONEを使って行います。
選べる選択肢が2つしかないことを改善するためいくつかの拡張機能も開発されています。Roamと違って、Logseqには4つの選択肢があります。
①TODO
②DOING
③LATER
④DONE
Logseqにはまた、Deadline(締め切り)を設定する機能もあって、締め切りの日時とそのタスクが繰り返しで行う作業かの指定もできます。
Roamと同様、LogseqにもQuery機能がある。タスクの進捗状況に合わせ、クエリーを書くと日々やらなければならない作業を管理しやすくなります。Queryの書き方についてはまた別途のnoteでシェアする予定です。
終了した作業に関してはどれくらいの時間を費やしたのかのログも残るようになっています。ログは、作業の状態が、DOINGの時だけ記録されます。
ポモドーロのプラグインと合わせるとより充実したタイムマネージメントができるはずです。
ポモドーロテクニックの詳細はこちらの note を参考にしてください。
6 Logseq の特徴④:間隔反復と想起学習
今まで間隔反復と想起学習に関する情報を数多く紹介したことがあります。
間隔反復の進め方としては、簡単に運用できるライトナー法からAnkiのようなアプリを活用する方法もあります。
Ankiはとてもいいツールですが複雑なトピックを学習する際の問題点として、個々のカードがコンテクストなしに終わってしまうことがあり、復習が必要な場合、元のソースを見つけるのが難しいことが挙げられます。
LogseqにはAnkiと似たような間隔反復のアルゴリズムが用意されていて想起学習用のカードも簡単に作ることができます。
想起学習と間隔反復をLogseqで行うことから復習をする際に、元のソースを見つけるのも簡単です。
7 まとめ
RoamはとてもいいサービスですがRoamとほぼ同じような機能が実現できて、しかもローカル環境で使えるのが、Logseqです。それも、無料で!
あと、Roamでは、「」や()を入力しようとすると意図しない変換の仕方になってしまいますが、Logseqは日本語との親和性も高く、日本語入力も問題なくできています。
時代の変化は早く、走るだけでは現状を維持することしかできない。本当になりたい自分になるためには他の人よりも倍のスピードで環境の変化に対応し進化しなければなりません。
そのような能力を与えてくれるのがLogseqになるのではないかと期待しています。慣れるまでには少し時間がかかると思いますが、一旦慣れますとそこからの上達は格段と早くなるはずです。