引退生からの置手紙
第三劇場秋季公演『スイートホームあるいは少女の愛情』の公開がいよいよ間近に迫ってまいりました🥀 今回の秋季公演をもって、これまで第三劇場を支えてきた65期生は引退となります。新型コロナウイルス感染症拡大のため、今年度の活動も様々な制約が強いられました。65期生は個性あふれるパワーで、そのような環境下においても、できることを模索し、演劇創作を続けてまいりました。秋季公演の映像公開に先立ちまして、引退生からの言葉を掲載いたします。是非、最後までご覧ください!
座長
忙しない一年間でした。制約の多い中どのように折り合いをつけて活動を進めていくのか判断の難しい場面が何度もありました。その度に一緒に思い悩み、話し合いに応じてくれた団員には感謝しています。また、公演の度にご協力いただきました先輩方、同志社小劇場、演劇集団Qの皆様、ありがとうございました。
そして後輩の皆様。本当に何度も助けられました。無事に一年間活動できたのは皆様のおかげです。ありがとうございました。今後も先行きの見えない状況が続き、思いのままに活動できないこともあると思いますが、対話を重ねて自分たちが納得のいく活動の形を見つけてください。もちろん安全第一で無理のないようにしてください。陰ながら応援しています。
岩竹雪乃 (芸名:雪月花)
え?もう引退?て感じて本当に実感が湧かないね。大学生になって初めて演劇をやって、こんなにも素敵な先輩同期後輩たちに恵まれて私の大切な思い出の一つになってとっても嬉しかったな。。高校生までバレエをやっていたから、役者として舞台に立つことはもちろん楽しいし気持ちよかったし舞台の醍醐味ってこれだな~って感じてたな(笑)でもね、舞台裏の作業が本当に楽しかった。みんなで舞台作って照明照らして…って作業がないとそもそも舞台なんて立てないし、それを自分たちでつくってきたんだって考えただけでなんだか誇らしくなったりした。本番近くなると、ピリピリってしちゃう事もあるけど、その分みんながその舞台に力入れてるんだなって伝わって居心地良く感じる事もあったな。
もっともっと一緒に演劇やりたい人たちがいたのに、もっともっと照明詳しくなって卓と仲良くなりたかったのに、って思う事もあるけど、今引退することに意味があるんだろうな。
色んな舞台観に行ってみたいな、これからも何かしら舞台に関わりたいなあって思わせてくれた、たくさんの素敵な人たちに出会わせてくれた、こんな私を快く受け入れてくれた、たくさんの価値観と考え方を教えてくれた感謝の場所でもある第三劇場。ありがとう。
ばいばい〜!
川崎萌華
ジャネーの法則によると、0歳から20歳までの体感時間と20歳から80歳の体感時間は同じだそうです。現在21歳の私は、既に人生の折り返し地点を越えていると....。そりゃあ引退もあっという間なわけですね。
第三劇場に入って、楽しかった思い出も、辛かった思い出もた〜くさんありますが、第一に思うのが「演劇に飛び込んで良かった!」です。憎きコロナがまだ無かった大学1年生時の自分を褒めたたえたいです。
演劇に関わっていたこの3年間は、人生の中で一番密度の濃いものでした。引退後、そして卒業後、演劇を続けられるかは分かりませんが、ジャネーの法則をひっくり返すレベルの充実したライフを送りたいです。
そして最後に、大好きな同期、天才的な先輩方、可愛い後輩ちゃん、今までありがとうございました!皆さんに幸あれ。
それではまた。
千
拾えなかったものを取りに戻ることはできませんが、せめて来年の春にもう一度と期待したい。
野市おりょう
気づけば引退する時期になってました。光陰矢のごとしってやつですね。
今までの自分を思い返すと、苦しんでばかりだった気がします。もちろん、楽しいこともたくさんあったけど、役者やら舞台やらと初めてのことばかりの中で必死にもがいてました。他人に迷惑をかけたことや、思い出すだけで恥ずかしいこともたくさんあります。
そんな自分が、今回の引退で手紙をもらいまして。そこには、自分が苦しんで生み出したものや、苦しんだこと自体を評価してくださっている言葉がありました。僅かでも、人の心に残ることができたのではと思えました。
何かを残すために足掻いて、情けない顔をしていた自分を、少しは褒めてやろうと思います。
2年半、ありがとうございました。
廣瀬亜美、鯉に恋して瀬を早み
良き先輩方、同期、後輩に恵まれました。
今まで支えてくださった皆様、公演にご来場いただいた皆様に深く感謝申し上げます。
第三劇場での活動の中で最も印象深いのは、2019年の新人公演『半裂き』です。
この公演では、私はスタッフとしてだけでなく、演者としても参加しました。
演劇が未経験であった私にとっては、自分の演じる役を理解し、それを演技に反映させることが難しく感じられ、苦労したことを覚えています。
また、普段は引っ込み思案な私が、舞台上で多くの人に見られながら演じていたことに対する驚きというものもあるかもしれません。
初めは周りについていくのに必死で、演劇が自分の性に合っていないのではないかと感じることもありましたが、今思えば、三劇での活動は、この3年間で最も自分に変化を与てくれた場だったのではないかと思います。
これからも第三劇場をはじめ、新町の劇団が一層盛り上がりを見せてくれることを楽しみにしております。
藤田 大空
ぼんやりしてるうちに引退しちゃったみたいですね
第三劇場での演劇は本当に楽しかったです
演劇をする中で確か色々あったような気がしますが、
私はもう少し甘ったれた人間のまま生きていこうと思います
色んな方々、今までありがとうございました
ぶちゃ
引退です。あっという間でした。色々あって特殊な活動形態になる時期がほとんどでしたが、多くのことを学ばせていただきました。ありがとうざいました。
…とか言ったけど、某ウイルス、君はダメだ。許さん。
村側晃太郎
3回のこの季節になって、2年前の新人公演のことばかり思い浮かべてしまっています。
1時間以上のアップで毎日くたくたになった303、きっかけ会議が終わらなくて深夜テンションで小野に電凸した338、ゲネ前日にして半ば詰みかけて青い顔できっかけ取りをした小ホール、今ではそれら全てが輝ける思い出です。
京都で、同志社で、サンゲキで、学生演劇に関わらせてもらえて本当に幸運だったと思っています。
最後にまた同期で公演打てたらいいな。
2年半、お世話になりました。
お元気で。
ルララM吉
普段はあまり、自分語りみたいなのをしない質だけど、調子に乗って書いてみる。
演劇は、僕にとって、得体の知れない生き物だった。
飲み込まれたら最後、自分ではない何かになってしまいそうな気がした。
事実、僕自身それを、望んでいたのかも知れないけど。
演劇というのは、自分ではない何かに変身する行為だ。いつもの何気ない日常を生きるためには、自分という一人称視点の視座だけあれば事足りる。
しかし演劇では、その理をねじ曲げ、与えられた何かにならなきゃいけない。
初めはとても辛かったけど、やってるうちにだんだん楽しくなってくる。
もうひとりの人間の人生を歩んでいる感覚?
僕自身、役者としては、3回しか出演していない。だけどその経験は、人生に鮮やかな爪痕を残す、かなり強烈なものだった。
ひとりは、年上の男性に振られる男の子。
もうひとりは、結婚の挨拶をしに行くロシア人の青年。
あとひとりは、サミ彦おじさん笑
演じている時の僕は間違いなく僕だった。しかし、完全な僕ではなかった。僕ではない誰かが乗り移り、その人物の一部が溶け出したと言うのが正しいかな?
それは、間違いなく普段の生活では体験できないものだ。自分ではない誰かになって、それを否定するのではなく、肯定できる環境が演劇にはある。
みんな各々、ペルソナを被って生きているけど、どのペルソナが自分かなんて分からないと思う。結局、全てのペルソナの集合体が自分だって、中野信子さんは言ってたけど、自分だって認めたくないペルソナは絶対にある。逆に、周りから認めてもらいたいペルソナも存在する。
自分の多面性というものに、スポットライトを当てた時、役を演じるという行為は、そうした好きな自分、嫌いな自分という枠を取り去って全ての自分(あるいは他者)を容認する取り組みだと思った。
いつもは、安全地帯から、他人の言動や仕草を値踏みしているような自分だ。だけど、いざ自分がやってみると、そこにはその行動に至った理由だったり思惑だったりがあって、他者の思考のプロセスを妄想できたりする。
すると、今までお化けみたいに見えてた周りの人々が、急にカラフルになった気がして、嬉しくなる。
長くなったが、言いたかったことは、役を演じることを通じて、僕は、新しい自己表現を手に入れることができた。型にはめずに、もっとおおらかにはなしていいんだ!縮こまらないで大胆に動いていいんだ!
ペルソナというと聞こえは悪いが、それも自分の一部なんだからと肯定していく笑
こんな自分だけど、伸び伸びとやってこれたのは、やっぱり、三劇の人がみんな素敵な人達だったからということに尽きる。
今まで本当にありがとう!これからもよろしくね!!笑
隅の方から、ちっさいエールをずっと送り続けます!笑笑
65期生による第三劇場新人公演『半裂き』(2019年)の稽古写真
65期生は秋季公演で引退となりますが、今後も66期生、67期生が第三劇場を盛り上げていきます。どうぞ、応援よろしくお願いします!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[公演情報]
第三劇場秋季公演『スイートホームあるいは少女の愛情』
脚本・演出:原田有人
映像公開日時:11月19日(金)20:00〜
第三劇場公式YouTubeチャンネルにて
第三劇場は、公式Twitter、Instagramも行なっております。そちらでは、稽古写真や座組紹介、公演情報等を掲載しています。是非、チェックしてください!
撮影協力:同志社大学写真部
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?