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最後まで頑張ったよ⑧

眠剤を初めて使った後は
「久しぶりに寝られた!」と喜んでいましたが

朝目覚めると
トイレに自分で行こうとし(いつもは一人で立ち上がれない)
よろけながら立ち上がり、そのままバタバタっと倒れこむようにトイレの前で倒れてしまいました

気分よく起きられたので
体も動くと思ったのか、せん妄か…

その後動けず、私もパニックに!
救急車をよんだらいいのか…まず訪問看護か…
迷いながら看護師さんに電話しました

しかし朝早かったので1時間くらいかかるとの事
待つしかないか、いろいろ考えてるうちに
夫は力振り絞って転がり込むように車いすに乗りました

良かった!
そのままベッドに運んで休んでいるうちに
看護師さんが来ました

今までの事を説明し、眠剤がききすぎたのかもしれないという事で
その日から量を半分にしてみましょうという事になりました
せっかく眠れたのに夫には申し訳なかったけど…
また起きだして倒れたらと思うと怖くて

そして通院日
息子にも手伝ってもらって病院へ行きました

もう立ち上がれないのでレントゲンを撮るにも3人がかりという状態を見て
主治医は「入院しましょうね」と言いました

着替えさせるのも私一人では大変で
そのままパジャマに上着を着せてきたので
「わかってて連れてきたな」と少しにらまれた気がしました

それを今でも思い出すと悲しくなります
けして入院させるために着替えなかったのではないと言いたかったけど
何も言えなかった


朦朧としてベッドから動き出そうとするので(1回落ちた)
動くとすぐナースセンタ―につながるようにしてくれていました
もう脳にも転移しているかもしれないと言われました

亡くなった23日はいつものように午後から面会に行っていました
もう声も出ず朦朧とした状態だったと思うけど
少し上半身を起こして私を見てまた目を閉じて
微笑んでいるように見えました

聞こえるかどうかわからないけど耳元で
「大好きだよ!大好き大好き」「ありがとう」を繰り返して帰りました


帰ってしばらくすると「脈が低くなっているから今日から泊まりますか」
という電話が病院からかかってきました
私は帰ったばかりだったので明日から泊まりますと返事してしまいましたが

今となってはその時すぐ行けばよかったとものすごく後悔しています
その時はまだ入院3日目でそんなにすぐではないだろうと思っていたんです

その後、夜8時半頃「危ないかも知れない」との電話にすぐ車で出たのですが
電話が終わってすぐくらいに息が絶えたとの事でした

何かまだもう少しは生きててくれるだろうという期待みたいなものが
判断を間違えさせたのかなあという思いもあります


介護にしても最後の看取りにしても
後悔だらけです
なのでいつも
「上手く看てあげられなくてごめんね」ということと
今まで一緒にいてくれたことを感謝して仏壇の夫の写真に話しかけています


けしてラブラブ夫婦でもない普通の夫婦だし
喧嘩だってしたし

でもぐちはきいてくれた
優しくしてくれた
心配してくれた
ふざけすぎてウザい!と怒った事もあるけど明るくて面白い人だった
声がでかくて「うるさい!」って言ってたけどホントはいい声だと思ってた
毎日マッサージしてくれた
いつも一緒に出掛けたし行きたいところ聞いてくれた
たまにカレーかラーメン作ってくれた
相談すると一緒に考えてくれた
頼りにできた
大好きだったってことですよね


日常の普通の生活がどんなに幸せかという事
愛があふれる体験ができたのも
夫のおかげです






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ひまわりコアラ
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