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「挙手指名」は使わない②
授業中、子どもに手を挙げさせて発言させる「挙手指名」。
手を挙げない子は発言できない方法です。
だからだめ、とは言うわけではありませんが、すべての子どもに発言の機会をつくりたい私は、あまり使いません。
指名のしかたにはいろいろありますが、まず「列指名」を積極的に取り入れるのがいいと思います。文字どおり、列の順番に当てていく方法です。
順番なので、最初に指名される子以外は自分がいつ当たるかがわかり、心の準備ができる。
また、教師が一方的に指名するのではなく、順に当たるので、無理やりな感じがあまりしない。
これを日常的に使えば、列で当たったら誰もが答えなければならない、という空気が学級に生まれます。
もちろん、答えられなくてもいいことにします。「ちょっと難しかったら、答えられなくてもいいからね」などとあらかじめ言っておくと子どもは安心します。
実際に答えられなかったら、間をおかずに「答えにくいこともあるよね」などと言って、すぐ次の子に移ります。そのようなフォローをするためには、教師は移動しながら、答える子のすぐ横にいることが大切なポイントです。
このように、ひとつの発問したら1列なり2列を当て、授業が終わるまでには、みんな少なくとも1回は発言する機会がある。
そういうことを日々繰り返すことで、誰もが発言することのできる、たくましい学級集団へと育て上げていくのです。
どんなときでも「列指名」を使う、というわけではありませんが、有効な方法として多くの場面で使うことをおすすめします。
「教育は魔法ではない」と言います。
1回では変わらなくても、何度も何度も繰り返すことで、子どもたちを変えていく。
そういう覚悟を持ち続けたいと思っています。