B3からのんびり始める外部院試対策【2025年度 大学院入試 合格体験記 物理】
はじめに
この記事は以下の記事の続きです。こちらでは、自分の物理の勉強法にフォーカスを当ててみました。以下の記事にもある通り、私は授業内の演習の復習と、ひたすら色んな大学院試の過去問を解きまくることで物理を理解するというやや特殊な受験勉強をしていました。また、長い期間でののんびりとした対策のため、精神的、体力的な負担も少ないままを迎えることが出来ました。
おすすめの参考書ルートなどを紹介するような記事が多い中、このようなルートを辿るものはレアかと思いますので、私のように1から教科書を読み込むのが苦手な方にとって、この方法が少しでも参考になれば幸いです。(私はこの方法で東大理物,物工の過去問にギリ太刀打ちできるくらいにはなりましたので、勉強法は間違ってなかったと自負しておりますが、かなり特殊な方法&環境ですし、効果は人によると思いますので鵜呑みにしすぎないように、自分に合ったやり方を見つけて下さい。)
院試までのあゆみ(勉強法版)
前回の記事では、院試までの歩みをいろいろと長々書きましたが、今回は物理の勉強法に関連する部分のみにフォーカスしまとめさせていただきます。やや異質な体験記です。どうぞお楽しみください。
学部1,2年 演習授業をちゃんと受ける
この時期は、授業をしっかり受けました。自大のカリキュラムでは、B2が終わった時点で電磁気, 力学, 解析力学, 熱力学, 統計力学, 量子力学(時間依存摂動論まで)が終わりました。演習授業などをしっかり取り(発表も頻繁に行った)、かつ単位を取るために定期テストの過去問をめちゃくちゃ解いたため、おそらくこの時点で、(易しめの)院試の過去問の前半部分くらいは解けるようになっていたかと思います。多分。(この頃は大学院という機関の存在すら知りませんでしたが)
正直、1,2年の物理とその演習授業で秀(S)か優(A)がとれた皆さんなら、この時点で(やや易しいレベルの)院試問題を解き始められる土台は充分に整っているかと思います。結局、講義をちゃんと受けるのが一番です。
学部3年 過去問を解きまくる
この時期から院試を意識し始め、ホームページに過去問が掲載されている大学院の物理の問題を片っ端からダウンロードしまくり、1つのPDFにまとめ、眺めました(DownThemAllというchrome拡張機能を使うと、サイト内のPDFを一気にダウンロードできるため大変便利です)。
右下に見えるdocxファイルはこちら↑
こうしてざっと眺めてみると、意外と「授業の演習と似てて解けそうだな」と思える問題がたくさんある事に気付きました。(もちろん東大理物や物工、その他難関な大学など、問題文の意味すら分からないような問題も多々ありましたが)そして、解けそうだと思える問題から友人と解き、答え合わせをしました。
解答がないじゃないかと思われるかもしれませんが、解答がない問題を、苦戦しながら、調べながら、意見交換しながらなんとか解いたことこそに意味があったと考えております。調べれば類題はどこかに載っています。解いている問題と照らし合わせ、人と相談しながら解答を作成していく過程でいろいろな発見や理解があり、これこそが一番の院試勉強だったと感じます。
そして必ず、調べながら解いた問題はもう一度何も見ずに解答を清書し、アウトプットすること。これが大事だと思います(自分はこの作業を、$${\TeX}$$打ちをすることで行っていました)。ただ解くだけじゃすぐ忘れますが、人に解答を見せるつもりできれいに清書すると、その過程で解法が定着しますし、なにより忘れても後から見返しやすくなります(殴り書きの手書きノートじゃ見返す気も起きません)。
こんな作業をB3の隙間時間でのんびりと1年間続けた結果、多くの問題が一度解いたことのある問題の類題のように感じられるようになりました。(作成したPDFがどんなものか気になる方は、前回の記事or上記URLをご覧下さい)
学部4年 口述試験対策のすゝめ
上記のような過去問演習は4年になってももちろん継続しました。この頃には志望校もあらかた決まってきていたため、解く問題はだいぶ絞りました。(東大新領域, 東大物工, 東大理物, 東工大材料系)
院試が近くなると、これに加え、口述試験の対策もガチで行いました。大学によっては、物理の問題を教員の前で黒板で解かせるor口頭で喋らせる試験の形式を取っている場合があります。この練習の為、院試する友人を5~10人ほど集め、発表練習を丸一日、これを計5,6回ほど行いました。口頭試問練習会をすると決めた日は、筆記試験の勉強はせず、これに丸々1日を費やしました。
口述試験の対策は、絶対やった方がいいです。
筆記の初見問題に対しても柔軟に考え解決に導く力を鍛えることができ、結果として筆記試験の成績向上にもつながったのではないかと考えております。物理には人それぞれの解釈があり、会話を通して色々な角度から物理を理解することができました。
また、チャットGPTを用いて面接対策用のオリジナルbotを作り、遊びました。物理に関する色々な質問をランダムでAIがしてきます。また、解答を踏まえてどんどん掘り下げた質問をしてきます。そして、いい返答は褒めてくれます(画像参照)。このbotで遊んでみたい方は前回の記事を見てください。
こんなことを友人数人でワイワイ繰り返しているうちに、院試が終わっていました。受かりました。終わり。
おわりに
自分の(変な)勉強法について、改めてまとめてみました。いかがだったでしょうか。一番言いたいのは、授業はしっかり受けよう。それだけです。大学は授業を受けに行くところなんだから、当然と言えば当然なはずです。巷では参考書ルートなども紹介されておりますが、参考書に書いてある内容は大体講義資料にも書いてありますし、定期テストにも出ているはずです(実際、例えば自大の統計力学のスライドは情報量がえげつなく、解法に詰まったらこれを見ればほぼ確実に近い内容が載っていました。電子ファイルなので文書内の検索機能が使える点も便利でした)。
物理の授業で、(ズルをせずに)秀(S)や優(A)をとれているあなたは、その時点で院試の物理に太刀打ちできる基礎能力が備わっているはずです。
これらの情報が、皆さんの不安を少しでも和らげ、合格への道を照らす一助となれば幸いです。ご質問やご意見がありましたら、ぜひお気軽にお寄せください。今後も受験生の皆さんに役立つ情報を発信していく予定ですので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
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