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剛速球タコ

シュッ!!!
 僕は今日、仕事の気分転換に河川敷でキャッチボールをしていた。いつも思うけど、彼はボールを投げる才能がありすぎる。ちなみに彼と言うのは…タコである。
 「タコさん、何度見ても真似できないなその投げ…一体どうやってるの?」
 1本の触手だけで僕以上の速い球を投げているタコさんは、本当にすごい。下手したら野球部を凌ぐレベルなのでは…?と思ってしまうくらいに。体格も僕の何倍も小さいのに、ちょっと高く投げたボールも触手を伸ばして取ってしまう。しかもグローブなしで…。
 そしてタコさんがまた僕にボールを投げようとした時…僕は思わず体を伏せてしまった。なぜならタコさんが投げたボールはいきなり140kmほどの速さであり、僕の真横を通り過ぎたからだ。びっくりしながらも後ろを振り返ると、河川敷の上の道路に1台の車が止まっていた。しかもタイヤがパンクしていた。当然ながら運転手もパニックのような顔をしていた。
 「ちょ、タコさん何やってるの…」
 僕は焦りながらもタコさんを咎めようとした。しかしタコさんは安堵した顔をしていた。車の先を見ると、そこには少女が立っていた


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