交換日記
友人のケンと僕は、小学校の頃から交換日記をしていました。私たちは毎日お互いに日記を書いて、夜に交換していました。その習慣は、中学生になっても続いていました。
ある日、ケンは日記にこう書きました。
「最近、家で変な音が聞こえるんだ。夜中に誰かが歩く音がするんだ。でも、誰もいないんだよ。お父さんもお母さんも夜勤で家にいないし、妹はすぐに寝るんだ。だから、僕だけがその音を聞いているんだ。」
「分かった。原因を突き止めるべく、僕は今日、ケンの家に泊まってみるよ」
その夜、僕はケンの家に泊まりに行くことにしました。夜中にその音を聞いてみたかったのです。ケンの部屋で一緒に寝ていると、確かに夜中に歩く音が聞こえました。僕は恐る恐るベッドから起き上がり、音のする方へ向かいました。しかし、誰もいませんでした。
次の日、ケンは日記にこう書きました。
「昨夜はありがとう。君と一緒にいてくれて、少し安心したよ。でも、君が僕の部屋から出て行った後、また音が聞こえたんだ。君はどこに行っていたの?」
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