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個人の生存戦略を立てる時に読み返したい本
『良い戦略、悪い戦略』(リチャード・P・ルメルト、村井章子)
思ったこと
多くの経営者がブログやツイッターでおすすめしていた本です。経営者がおすすめしていただけあって、主にリーダー層向けの内容ですが、そうでない人にとっても参考になる部分が多いと感じました。
本書はタイトル通り、良い戦略と悪い戦略について、実例をもとに書かれています。戦略についてこれほど深く考えたことがなかったので、とても刺激的な体験ができました。
今の自分にとって最も参考になったと思ったのが、優位なポジションで戦うための方法です。
最近の自分は、目指すべき人物像がいまひとつ決め切れていませんでした。それは、将来の人物像を決めようとする時に、将来の変化を計算に入れてしまっていたからです。未来がどうなるかは誰にも予測できないにもかかわらず、、。そんな時、
>”今日では変化のペースが速くなっている、われわれは絶え間なく続く革命の時代に生きている、といったことがよく言われる。安定など時代遅れで、過去の遺物だというのだ。だがこれらはすべて、たわごとである。実際にはほとんどの産業は、ほとんどの時代を通じてきわめて安定している。それに、ちょっとした変化はいつの時代にもあったのだし、今日の変化が過去と比べてきわめて大きいという見方は、歴史を無視していると言わざるを得ない。
変化のうねりが形成される早い段階で、気づいて手を打たなければならない。大事なのは予測することではなく、過去と現在に目を凝らすことである。”
この文章に、ハッとさせられました。
考えるべきは、今起きていることと過去に何が起きたかということ。
将来ではなく、今と過去に目を向けて戦略を立てるという思考にシフトチェンジできました。
個人の生存戦略を考える上で、大変参考になる本です。
四半期に一度は読み返したいと思います。
抜粋と思ったこと
最も弱い箇所によって全体の性能が決まってしまうようなシステムは、鎖のような構造を持つと言える。どこかに弱い環がある場合、いくら他の環を強化しても、鎖全体は強くはならない。
→『ザ・ゴール』にも同じことが書かれていたのを思い出した。全体の性能を決めるのは、一番弱い部分であることは常に念頭に置いておく必要がある。
どんなことにも秀でている人というのは、まずいない。チームであれ、企業、さらには国であれ、他より秀でているのは特定の条件の下での特定の分野だけ、というのがふつうである。したがって、どんなときどんなところで優位に立てるのかを理解することが、それを活用する秘訣と言える。
→自分が優位に立てる場所を知るためには、考えているだけではダメで、打席に立つ数を増やさないといけない。打席に立ってヒットを打ったり、凡退したりして学んでいくことが効果的。ただ、見逃し三振だけはしてはいけない。
要するに良い戦略とは、こうすればうまくいくはずだ、という仮説にほかならない。理論的裏づけはないが、知識と知恵に裏づけられた判断に基づいている。
→戦略は仮説でいいのだと思えた。もちろん、圧倒的な経験と知見によって生まれる仮説であることはいなずもがなではある。しかし、戦略はそれ通り行動すれば、確実に結果が出るものであると思ってきたので、仮説でもいいとわかり、戦略を立てるハードルが下がった。
成長とはあくまで戦略がうまく実行できたときに結果としてついてくるものであって、成長そのものを作り出そうとするのはまちがっている。
→成長は副産物。