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2024年。ドラクエ3 HD-2D。私はまものを呼び続けた。

何から書けばいいものか、と悩みながら書き始めているのですが。

ドラゴンクエスト3 HD-2D版をクリアしました。27時間ぐらい。クリア後のコンテンツはノータッチです。楽しくて一気に最後までやってしまいました。

今回のHD-2D版はグラフィックが大きく刷新されましたが、むしろバトルデザインにおいて決定的な質的転換が図られています。それは拠点から目的地へ到達するまでのリソース管理をするゲームから、バトル一つ一つの緊張感に重きを置いたゲームへの転換です。レベルアップによるHP/MPの全回復とルーラの更なる便利化が象徴的。ノーダメージ完封からあっという間の全滅まであるピーキーな振り幅の雑魚戦は、全滅してもあんまり巻き戻さないから気軽に全滅を楽しんでね!ということでしょう。

オリジナルの、目的地に辿り着く前に残りMPを横目に見ながら進むべきか戻るべきかを楽しむようなクラシックな味が失われたのは残念ですが、一方で今作のようなインスタントな味わいだったからこそ2024年の私が駆け抜けられたことを考えると複雑な気持ちになります。道中ヤケクソみたいに手に入る種や強い装備品もジャンクな味わいを助長します。

月光の照り返しが綺麗

今作の大きな売りであるHD-2D表現はオリジナルの世界観をより精彩に大胆に表現していますが、絵的な情報量は増えた一方で、画面に収まるゲームプレイに必要な情報はむしろ少なくなっています。調べられるオブジェクトや側面の出入り口は見つけにくくなり、一画面で見渡せる視野が狭くなった為にミニマップが導入されました。画面を回転させたいと思ったことがプレイ中何度もありました。

また、これは私の好みの範疇なのですが、これはHD-2Dと言っていいのか?という疑問も残ります。いやHD-2Dという用語に定義などはないのですが、今回のグラフィック表現はドラクエ7の表現の延長線上にあり、その表現はオクトパストラベラーやトライアングルストラテジーが開拓している表現とは少し文脈が違うのではないかと感じています。3D空間にドットキャラを馴染ませようとしているドラクエ3とドットの世界を3D空間上に投影しようとしているオクトラの違いというか。私はオクトラ的なHD-2D表現を期待していたので感動半分になってしまいました。

違うよね????

ところでドラクエ3自体はもう何度もプレイしているので、今回は折角だからと勇まもまもまも編成で始めました。

テリーイルルカ

途中で更に防具なし縛りプレイを自分に課した結果、ぶっ壊れ職であるまもの使いとバランスが取れて最後まで緊張感を保てました。

そうです。まもの使いが覚える特技、まものよびです。道中魔物を保護した数によって威力が上がっていくこの特技は、序盤に覚えて以降最後までずっと最強の攻撃手段です。最終盤までもうこれだけでいいぞと察してからは、勇者はひたすらまものを呼ぶ3人のモンスターマスターをサポートする者になりました。ゾーマ戦は勇者が毎ターン置きベホマズン、残りがひたすらビーストまものよびをし続けるだけという無体な戦いとなりました。実質ドラゴンクエストモンスターズ3です。

この絵面を1ターンに6回見る。

1988年、FC版のドラクエ3が発売された時、私はまだ幼稚園の頃でした。兄たちが遊ぶのを見て見よう見まねで遊び、ロマリアに行くあたりで挫折してやめるのを繰り返したのを覚えています。それでもとても刺激的な体験でした。1996年、SFC版のドラクエ3をちゃんとプレイした思い出はキラキラした体験として残っています。

2024年。私はドラゴンクエスト3の世界を救う為にまものを呼び続けました。後半AIがまものよびを選択しにくくなってからは、めいれいさせろで毎ターン3回ずつまものを呼び続けたのです。その体験はキラキラはしていませんでした。

いやでも本当に面白かったんですよ。

終わり。

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