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エモだけを纏った実体の無い放置ゲー。メメントモリのこと。

勝利の女神: NIKKEをプレイした流れで今度はメメントモリをプレイしています。

メメントモリはいわゆる放置ゲーと呼ばれるタイプのゲームで、放置している間にどんどん戦ってくれてリソースが溜まり、そのリソースで強化したら先に進んでより高効率の放置が可能になり、また放置して強化、進んで放置、強化、進む、放置を繰り返すゲームです。放置ゲーではバトルが基本フルオートで進み、バトル中にプレイヤーが介入できる要素がほとんど無いのが多いのですが、メメントモリでは介入要素は0です。潔い。

ゲーム部分の作りはぶっちゃけていえばAFKアリーナです。キャラクターを強化する手段はかなり多彩で、放置ゲーとして求められそうなものや便利機能は一通り揃っています(お金かゲームを進めることが必要なものもありますが)。ただしストーリーと言えるような筋は導入以外はほぼありません。課金圧は強め。放置ゲーということもあって動作はとにかく軽く、バトルを繰り返すのもローディングを体感することがほぼ無いのでほとんどストレスがありません。

時間を供物にしてゲームを進行させていくという点では放置ゲーもスタミナ制のスマホアプリと同じですが、プレイヤーが操作してリソースを獲得する部分をゲーム側が肩代わりしてくれるところが放置ゲーの特色です。ゲームとは。ゲームとは成長。ゲームとは進行。ゲームとは。画面上の数字がピロピロと増えていけばそれだけで楽しい。人生とは。幸福とは。

さて。メメントモリの最大の特徴は「雰囲気」です。実体のないエモ。醸し出す空気だけが存在する潔いあやふやさ。

公式のキャッチコピーは『平等なのは「サヨナラ」だけ。』であり、エモです。メインストーリーはないので特にそういうストーリーが展開されるわけではありません。しかしゲーム全編に渡って統一されている水彩画タッチのグラフィック、感傷をバリバリ刺激する楽曲。エモです。水彩画タッチでLive2Dアニメーションする美少女たちのクオリティも高いと思います。

えも

全てのキャラクターには悲しい過去があり、キャラエピソードでフルボイスの独白によって語られ、エモです。少々エピソードの分量は少なめ。

えもかなしい

更に驚いたことに、なんとレアリティに関わらず全キャラクターにテーマ曲が用意されていていつでも聴くことができます!

歌詞も見れる!

その楽曲群はキャラに更なる雰囲気をエンチャントします。

そしてバトルの背景では意味はないが思わせぶりなアニメーションカットが次から次へと切り替わっていきます。戦っている場所とは全く関係ないイメージ映像に振り切っていて、エモを打ち出すためのこの割り切りには良い意味で感動しました。

思わせぶりな花が萎れたり思わせぶりな風車が回っていたりします。

メメントモリは無難な作りの放置ゲーに『雰囲気』だけを盛りに盛って新しい何かにしたゲームです。『雰囲気』のキャラ、『雰囲気』の曲、『雰囲気』のグラフィック。そこに実体はありませんが、何もないところに実体のようなものを見い出すのはプレイヤー自身の仕事ですので特に支障はありません。しばらく続けようと思います。

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