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孤独と無数のミスの先で山と向き合う。Lonely Mountains: Downhill
Lonely Mountains: Downhillをプレイしています。とても面白い。
Lonely Moubtains: Downhillは様々な山の危険な急斜面をマウンテンバイク一つで下っていくダウンヒルを体験できるゲームです。
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無理な角度で地面や岩に突っ込めば即落車しミスとなりチェックポイントからやり直しとなりますから、プレイヤーは自分が落車したり崖下に落下してしまわない様に気を配りながら、しかしそれでもできるだけ早くゴールを目指さなければなりません。習熟するまではコースを完走するまでに数十回のリトライが必要になる、Celesteのようなリトライゲーの趣きです。バイクの角度に気を使う感じはTrialsシリーズのプレイ感も思い出させます。
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全16あるコースには正規のルートとも言えるルートに轍の様な目印があるため、そこを辿れば最終的にゴールに辿り着けるのですが、このゲームが相手をするのはレースのために作られたコースではなく山です。山が相手ですから、点在するチェックポイントさえ通れれば、どんなルートを使ってショートカットしても構いません。とんでもないショートカットがいくつもあります。なんでも有りです。
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16コース全てには無数のショートカットルートが隠されています。プレイヤーはより速いルートを探したり、時にはミスからの奇跡的な生還により偶然発見したりしながら、自分だけのルートを構築し、タイムを縮めていきます。
しかしながらショートカットできるルートというのは当然道なき道ですから、より落車の危険が高まります。とはいえ慎重にゆっくり進んでいてはショートカットの意味がありません。プレイヤーペダルを踏んでコースを爆走しながら、リスクとリターンの間で揺れる瞬時の判断を迫られます。
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また各コースに隠された休憩所を見つけるというサイドクエスト的な要素もあります。休憩所は素晴らしい景観になっていて、正規ルートを通っていては見つかりませんから、必然的にプレイヤーはその山の様々な道を調べることになります。やがてプレイヤーは、ある曲がり角の直前にある、乗り上げればコントロールが効かなくなりミスの要因になるような僅かなギャップや、小さな岩や、ギリギリ落車しない絶妙な角度の斜面や、潜り抜けられる隙間のある木々についての知識を獲得します。
このゲームの面白いところは、自分が走る山を知れば知るほど、それが走りをダイナミックに変えていくことです。最初は落車しない様に慎重に道に沿って降りていた走りは、山に親しむことで道なき道を駆け降りる走りに変わっていきます。
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環境音と抑制の効いたグラフィックで描かれる山は、Lonely Mountainsというタイトルの通り、プレイヤーと山との関係に意識をフォーカスさせてくれます。
プレイ中にBGMはほとんどなく、ゴール地点にあるのは自分のテントだけ。あるのは険しい地形とそれに立ち向かうプレイヤーの孤独な時間、上空を飛ぶ鳥の影、流れる水や風の音、チェーンが回り落ち葉を踏み締めるタイヤの音。ヘッドホンをしてプレイすれば、過ぎ去る滝の音を聴きながら斜面を駆け降りて何度も死ぬ癒しの時間を楽しめます。
山と私。マウンテンバイク。そして無数の死!
とても面白いゲームです。
終わり。