家事代行サービスの仕事が楽しい話
実は、ちょっと前に隠れてこっそり副業として家事代行の仕事をしていたことがある。
許可を取れば、というか、同じ業種ではなく本業に差し障りがなければ副業は特に問題はなかったのだが、いちいち許可を取りたくなかったのと転職のための準備として預金を増やしておきたい……というなんともいえない理由だったため、秘密の副業だった。
王道の飲食系アルバイトこそやったことがないものの、学生時代はそこそこ雑多なアルバイト(と副業)をやってきた経験があるが、家事は割と好きだったからか、人の家に上がり込む楽しさのためか、やたらと楽しかったのである。
そもそも、ハウスキーパーやハウスメイドを雇うような家庭は余裕があることが大半だ。ゆえに、すくなくとも私はゴミ屋敷のような部屋に当たったことはほとんどなかった。むしろ大抵はホテルのような空間に仕立てられている。
見た目が綺麗な割にはアチコチちょっと……というお部屋があった程度で、ただお願いされた家事をこなすと笑顔でお礼を言われ、なんなら労われ、時給も良いというストレスフリーな仕事である。
イメージはホテルの清掃業者、あるいはケータリングスタッフであろうか。
イベント関係のスタッフの仕事や、塾講師などが同じ水準の時給で(だいたい時給1500円前後が相場だ)、それらの仕事よりもよほど精神的にも、肉体的にも、ストレスも少なく、消費カロリーが少ない。かなり割の良い仕事なのである。
一番のやりがいは、もちろんサービスに喜んで貰える機会が多いことだ。それ以外にも色んなお宅へ行くことになるため、インテリアや生活感を楽しんだりすることも楽しみのひとつだろう。普通に生活していたら、経験出来なそうなことが出来るのもメリットかもしれない。
とある日、わたしは仕事のために近隣のタワーマンションを渡り歩いた。さながらタワーマンション巡りである。
ご存知の方も多いかもしれないが、タワーマンションと言ってもグレードは様々だ。高級ホテルよろしくやたらとラグジュアリーで迷路のような空間のものもあれば、クールでスタイリッシュ、必要最低限の設備が備えられているもの、ちょっとした高級マンションに毛が生えた程度のものまである。
意外と、外見が良くても中のグレードはそれほど……というものもあったりするし、勿論全てが豪邸ばりのものもある。水回りとキッチンに、資本主義の諸々が顕著に現れる……ような気がする。
面白いことに室内空間については本当にまちまちで、様々なご家庭のインテリアや空間を見ることが出来たおかげで、お客様から生活の知恵を学ばせて頂くことがたくさんあった。正直、かなり勉強になったとおもう。
お金を頂き、感謝され、さらに勉強にもなる。ストレスは少なく(これは個人の資質にもよるが……)ちょっとした運動代わりにまでなっていた。
こんな割が良い仕事があっていいのか?と思い、人に勧めたい気持ちはあるのだが、周囲はすでに定職に就いているか、そもそも仕事も運動も好きではないインドアタイプが多いため、なんとなく誰とも共有出来ていない。コンプライアンス的に詳しい話は出来ないが、なんとなくモヤモヤしたので、濁してここに投げいれることにした次第である。
真面目にこなして、本業として生活している方もいるという。ご興味のある方はぜひ挑戦して見て欲しい。意外とハードルも低くて、楽しい仕事ですよ。
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