好きでもない無償奉仕労働について
父親に「特に好きでもなく利にもならない人のためになることをするときはお金が欲しい」と言ったら、至極全うに「長期的に見ればいいことがあるかもしれないよ」って返された。
ぐぬぬぬぬぬぬそうじゃない………そうではないの………わかってんだよそんなことは!!!!
そもそも元凶は「父から依頼され(父の部下からの依頼で)、父の部下と共同で友人を集めて合コンイベントを開催すること」ある。いや、本当に父の部下とか知らんし。なぜ大事な友人を紹介しなければならないのだ……?まあ、婚活している友達は多いから、まともそうな人が来るならやってもいいけど…と始めたことである。
しかし本業ががっつりあるなか、(今月は毎日10時間労働である。残業代ウハウハだバカ野郎!)というか別途イラストを描いたりする仕事もあるのに(これは月1~2枚だけど月単位工数は8.0くらいあるのでつまり普通にやると休日は1日なくなるのである)
10数名の友人と連絡を取り合ってスケジュールを確定させ男共のスケジュールを聞いてやり、場所決め出来ない男側の幹事のためにわざわざ場所の候補を割り出し、「こちらで」予算を確定させ時刻を決めた上で予約させ、さらには開催時は「サポートとして」入って場を盛り上げるのである。
……完全にイベンターじゃねぇか!副業にさせろボケ!
と思った私の心情は、多少なりとも大人数のイベントごとの幹事をしたことがある人ならわかって頂けるであろう。
先行投資としての人間関係構築のための無償奉仕
人間関係って合理的じゃない。いつもお世話になっているから…と逆になにかしてもらうことなんてザラにある。でも、だからこそ無償労働には必ず理由がある。少なくとも「この人との関係性が良くなるといいな」という下心はどんな人であっても少なからず持つものだろう。長期的に見ればいいことあるかもしれない、それは確かに。でも、納得いかない「距離感」って厳然としてあって、だからこそ「人間関係は合理的ではない」のだ。
今回の利害関係は基本「父の」部下という関係性である。ぶっちゃけ友人でもなく赤の他人だ。周囲の友人は機会があったら婚活してもいいけど基本的には彼氏もいるしという人ばかりで、そんなに積極的でもない。となると、友人の友人を紹介してくれない?となり時間も手間も3倍である。ぶっちゃけ友人のためになるわけでもなく、手間そのものである。私の借りだけが増えていくのだ。は?ムカつくってなるだろう普通に考えれば!!!
企業活動での無償奉仕は、先見的先行投資であることは間違いない。では、この労働の対価……つまり先行投資をした後のバック(報酬)はいかほどか?
もちろん、もっと小さな親切ならわたしだって全然、全く、気にせず行うだろう。赤の他人のご老人に席を譲るとか、その辺歩いてた初老のご夫婦が道に迷っていたようだからわざわざ目的地まで一緒にいってやるとか!
しかし、対象は「結構な労働力を必要とし」「精神的に苦痛だが」「無償でやっていること」である。
聞いただけで嫌にならないだろうか。
例えば子育てなら、長期的に見れば間違いなくコストはペイする(家族関係として、あるいは人間的成長として)だろう。例えば大富豪は人間関係を大事にするとは言うが、利害関係のある他人や、慈善事業的観点のために動くのであって、おそらく「嫌々やっている」わけではない。このモヤモヤ感、歯に挟まったこの感じ。何とも言えない気持ち悪さ。私がただ銭ゲバ利益追求人間だからそう思うとでもいうのであろうか?少なくとも父への「これまで育てて頂いた多少の感謝」のためにやるにしろ……なんだろう、やっぱり納得いかない。
でもこれってサービス残業と変わらなくない?
そう、このモヤモヤ感、何かに似ていると思ったらサービス残業に似ているのである。
「会社のために、利益還元のために働いて欲しい」「お前も会社のためを思ったら動けるだろう。新卒のお前を先行投資としてどれくらい支払ったと思う?借金を返せ」
こういう思考回路に非常に構造としてよく似ているのだ。これは、対価の保証もない「心情的なもの」に訴えて労働を搾取する行為である。やっぱり、納得いかない状態で好きでもない無償奉仕労働をするべきではない。もちろん、納得しているのであれば個人の自由なのであるが。
私の無償労働は、なんとかしてリターンをゲットしようと思った次第であり、父親に内緒で母と一緒にショッピングをして3万円もする「友人の結婚式用ドレス」を購入してもらったのだった。因果応報!労働には対価を!若者の買い叩き断固反対!絶対に許すな!!!!
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