トレドをさ迷って結局目的地にたどり着けなかった話
中世都市トレド。城壁に囲まれたこぢんまりとした城塞都市は、歴史好きには堪らないロマンの塊である。
ヨーロッパの古都もそうであることが多いが、イスラーム様式の街は特に部外者に厳しい。あえて迷路のようにいりくんだ作りになっているからだ。
防衛上の目的らしいので、どうしようもないことであり、当たり前なのだが、この天然のラビリンスにまんまとハマった経験がある。
友人と二人でトレドに行った時だ。たった一つの曲がり角を曲がり損ねて、大聖堂のある広場へ、つまるところそこに隣接するインフォメーションセンターにすら辿り着けず、結局目的地にたどり着くことが出来なかった。一応、現地で建物を見ることは出来たのだが、スペイン時間の開館時間に間に合わなかったのだ。
街歩きは嫌というほど堪能出来たこと、さ迷った経験そのものも記憶としては楽しかったが、当時は本当に困っていた。結局、どうしても行きたいというので、友人だけ別日に時間を取ってもう一度トレドに行くことで事なきを得たのだが、地球の歩き方にも書いてある通り、本当にトレドは迷いやすい。予算が許す限り、まずはタクシーを使うことを推奨する。
旅費の節約は大事だが、下手な考え休むに似たり。己を過信せず、いらないリスクはとらないよう、最低限の足を確保する大切さを学んだ旅だった。
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