ストーリーで売らない
「商品を売るな、ストーリーで売れ」みたいな言葉は飽きるくらい聞いてきたし、実際そうなんだろうなと思ってこれまでブランドを作ってきました。
でもこの1週間のポップアップを経て、ストーリーで売らなくても売れることが、商品力の本質じゃないかなと思い直しました。
9月10日〜17日まで自身のジュエリーブランドRINMOのポップアップを開催しました。
RINMOは「廃材から生まれる一生モノで一点モノの宝」をコンセプトに、環境問題にアプローチしていく、今年立ち上げたジュエリーブランドです。
これまで数回開催したポップアップストアでは、私のストーリーを知ってくれている方が多く足を運んでくださいました。そのため、ブランド立ち上げの背景、いかに廃棄を減らす取り組みを行っているか、私の熱い想いをお話ししながら接客してきました。
ただ今回はブランドのそのような背景に関心のある方には訴求せずに挑んだポップアップでした。
百貨店の一角、フラッと買い物に来た人がチラッと見て通り過ぎていくような場所で「このリングでいかに日本の廃棄削減を目指しているか」なんて話をする隙はなくて。
これまでと異なるシチュエーションに不安でいっぱいでした。ジュエリーブランドなんて星の数ほどあるこの世界で、まだ名の知れていない私のブランドに振り向いてくれる方が1人でもいるんだろうか?と心配しながら当日を迎えました。
が、心配とは裏腹に、ストーリーを語らずともデザインを気に入って買ってくれた方がたくさんいました。
8年間デザイナーをしてきた私にとって、それは本当に誇らしく嬉しいことでした。
ストーリーや理由を聞かなくても、直感的に良いと思ってもらえることは、純粋にデザインの力だなと思います。
見ただけだと何も思わなかった絵が、そのストーリーを聞いた瞬間より良く見えたり、歌っているところを見ただけだと何も思わなかった歌手が、インタビューで想いを語っているところを聞くと、その歌がより良く思えたり、そんな経験は皆さんもあるのではないでしょうか?
ストーリーや想いへの共感は熱狂を起こしやすい。けれど私が取り組む環境問題の分野ではまだまだ熱い思いを持ってくれる人は少ない。
であれば、社会を大きく動かすためには純粋にデザインでグッと来るものを作らなければならない。
そんなミッションを裏で抱えながら制作してきましたが、なんとか現実できそうだな〜と思えた1週間になりました。
純粋にデザインを気に入って買ってくださった方がいたことは大きな自信になりました。でもまだまだ認知度も、ブランド力も足りていなくて。改善すべきことがたくさん見つかりました。
RINMOはまだリリースして半年のブランドです。
どんどん良くなって社会により良いインパクトを与えていけるよう、走り抜けていきたい!
ストーリーで売らなくとも、デザインで商品が売れ、その後ストーリーを知ってもらえる、そんなシナリオが描けたらもっといい未来が作れる気がしています。
次回のポップアップまでにいろんなことを改善して臨みたいと思っています。
次回POP UP ▼
2024/10/10〜10/16
📍渋谷スクランブルスクエア 5F レアルデザインサイト
instagram
https://www.instagram.com/rinmo_official/