記憶を記録に残す(写真の撮り方)
カメラを持つと絶景や映えを撮りたくなりますよね。
学生時代はスタバを「高い金出してオシャレな雰囲気を買う店」と揶揄していた私も、カメラを買った瞬間にスタバへ映える写真を撮りに行ったものです。
旅先で写真を撮るのも良いけれど、もっと身近にあるもの、例えば実家の写真は撮っていますか?
そう、古くて散らかってて、帰っても特にやることがなくて手持ち無沙汰になるあの実家です。
先日、実家の物置と化した車庫を取り壊して弟が家を建てるということが決まりました。生まれた時からそこにあった車庫が取り壊されるということは、自分の中の当たり前がひとつ消え去るということです。諸行無常の鐘が鳴ります。
ということで、実家の車庫撮影会を開催しました。参加者はもちろん私ひとりです。
撮影のときに気をつけたことはひとつだけ。「自分の記憶と写真が一致するか」です。できる限り思い出のままの姿を残したかったからです。
私の記憶には車庫を見る時車庫の手前のものは写っていません。だからその通りに構図を決めました。
三脚を据え、設定はISO64、f10くらいで全体にピントが合うようにします。長秒露光で撮影しました。
水平も厳密に調整したので、写真が少し傾いて見えるのは車庫が傾いているからです。お前傾いてたのか。
時間をかけて丁寧に撮りました。
この車庫はもうありません。
色褪せたビニールシートをどかして灯油を汲むことも、壁に磁石でくっついたドライバーをもぎ取ることも、もうないのです。
全てが埃に覆われた車庫の中で唯一きれいなプチプチに包まれた左奥の白いもの、これは…何?見覚えないんだけど??