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  【星座夜話 19/88 おおかみ座】    

 夏の夜空の低い位置に見える、狼を表した星座です。さそり座の右下に見えるのですが、すっきりと晴れた日でないとよく見えない、あまり馴染みのない星座です。

 古代ギリシャ時代は独立した星座ではなく、隣のケンタウルス座の一部(ケンタウルスの獲物)だったそうです。星座として独立させたのは紀元2世紀のプトレマイオスで、当時は狼ではなく、たんに野獣だったとか。狼とされたのはかなり遅く、ルネッサンス期以降なのだそうです。

[さそり座の右下なので位置はわかりやすい]

夜9時に見やすい時期:6~8月
有名な天体:特になし。

 以下の話が伝えられていますが、後世に作られた後付けの話のようです。血なまぐさい、物騒なお話です。

 ある国に暴虐な国王とその51人の子供がいました。大神ゼウスはこの国王の非道ぶりを確かめようと、旅人を装い王宮にやってきました。

 国王はこの旅人を王宮に泊め、食事を出すことにしました。ところが親に似て暴虐な息子達は、町の子供をさらい、殺してなんとその肉を旅人の食事に入れたのです。(国王自らが人肉を食事に入れたとも)

 あまりの所業に激怒したゼウスは、一人の息子と一人の娘を残し、他の息子達全員を雷撃で殺しました。そして息子達の罪の償いとして、父親の国王を狼に変え、山の中をさまよわせました。この狼が夜空に描かれ、おおかみ座となりました。

 このお話の中で生き残った娘は、なんとおおぐま座となるカリストーです。唐突にカリストーが出てくるあたりが、いかにも後付けの感じがしています。

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