繊細な舌を持つ人であれば添加物の味を見極めることができるのか
宣伝部のミナミサワです。
突然ですが、
“添加物”と聞いてどんなことを思いますか?
正直、私はなにも思っていません。
いや、
(なんとなく添加物は避けた方がいいのかも?)
(無添加? だったら良さそうね!)
くらいのことは心の奥底で1ミリくらい考えていますが、
スーパーやコンビニに行けば、
なにも気にせず買いたいものを買っているし、
食べたいものを食べています。
なんでも美味しいです。
しかし
「それはもしかしたら舌がバカになっているのかもよ?」
と会社の先輩から忠告されました。
添加物を食べ続けていると、
舌が添加物の味に慣れきってしまうけど、
添加物とは科学的に作られたものだから
本来の人間の舌であれば、
「身体にとって微妙な添加物」
については拒否反応を起こすはずだと。
食べたものをきちんと味わえば
「身体にとって微妙な添加物」が入っていれば、
誰でも気づけるだろう、ということらしいのです。
※「身体にとって微妙な添加物」=書籍『令和版 食べるならどっち?!』の中で、できれば避けた方がいいとされている添加物。
たしかに、
有名なグルメ漫画『美味しんぼ』の主人公・山岡士郎さんもこんなことを言っていました。
山岡さんレベルになると、さすがに化学調味料の味がわかるみたいです。
しかし味オンチの私にはまったくわからない。
では、
繊細な舌を持つ人であれば、
「身体にとって微妙な添加物」の味を見極めることができるのか?
ちょっと知りたい。
そこで、2人の「味覚のプロ」にご協力いただくことにしました。
ひとりめは、バリスタ世界チャンピオンの、粕谷哲(かすや・てつ)さんです。
誰が1番美味しいコーヒーを抽出したか競い合う、コーヒーのオリンピック「World Brewers Cup 」にて2016年に世界チャンピオンに輝いています。
ファミリーマート「FAMIMA CAFÉ」を監修。2022年5月現在、全国で展開中のすごい人です。
もうひとりは、小久保尊(こくぼ・たける)さん。
日本ソムリエ協会認定ソムリエであり、ヒット作『図解 ワイン一年生』の著者です。ワインソムリエと聞くだけで舌の繊細さが伺えます。
まさに常人離れした舌の持ち主といってもいいでしょう。
企画のスケールの小ささに対して、
明らかにもったいないお二人をお招きしてしまいましたが、
もう呼んでしまったので、早速はじめることにします。
司会:
“身体にとって微妙な添加物”は、口に入れただけでそうだとわかる。
という説があります。
実際どうなのか。繊細な嗅覚味覚を持つお二人の舌を使って、今回は実験してたいと思います。
まあ実験するまでもないと思ってますが。余裕ですよね?」
小久保:あおらないでください。
粕谷:がんばります。
■第1問:ポテトチップス
司会:まずはポテトチップスです。Aが某社のピザ味。Bが某社ののりしお。いずれかには“身体にとって微妙な添加物”が入っているようです。
※Aのほうは添加物が10種類と多く、さらにその中で着色料のカラメルと甘味料のステビアが入っている。Bの添加物は調味料(アミノ酸等)のみ。
もぐもぐ
うーん……
小久保:ぼく、のりしおは家に常備しているんですよ。
司会:じゃあ、いくら食べても嫌にならない味ということですか?
粕谷:うーん…味の好き嫌いは関係ないですもんね? 添加物ですもんね?
司会:そうです。あくまでも「より安全だと思う方」をあげてください。
せーの
じゃん
粕谷 B
小久保 B
司会:お二人ともBですね。どうしてBを選択したんですか?
小久保:ほら、僕はもう家に常備しちゃってるから。これでBの方が悪いと嫌じゃないですか。
司会:気持ちの問題ですか。
粕谷:うーん、添加物は舌がピリピリするみたいなこと聞いたことがあって。Aの方は若干ですがピリピリするかもなと。
司会:舌がピリピリ。なんかプロっぽい。正解は、お見事Bです!
二人:まあ、妥当でしょう。
司会:あっけないですね。簡単すぎます?
■第2問:チキンナゲット
司会:次はAとBともチキンナゲットです。いわゆる骨なしフライドチキンです。
Bは添加物が10種類と多く、またリン酸塩(Na)という子どもに食べさせるにはちょっと不安が残るらしい添加物が入っている。Aの添加物は4種類と、フライドチキンの中では少ない方。
二人の表情が苦しそう。
小久保:いやこれもうわかんないので、個人的に好きな方あげていいですか?
司会:ええ? もう、わからないんですか?
小久保:はい(笑)
粕谷:んー…添加物が多そうなのはなんとなく分かるんですけど…
せーの
粕谷 B
小久保 A
小久保:あ、割れた。
粕谷:割れましたね。
小久保:個人的にはAの方が美味しかったんで。Bは肉自体が添加物が少し多そうというか。
司会:ソムリエにそういわれると説得力ありますね。
粕谷:どうしよう、そう言われたらAの気もしてきたな…。
つい味付けの方に意識がいっちゃいましたけど、小久保さんの話を聞いたら素材の方に添加されているんじゃないかなと気づきました。
司会:小久保さんお見事。正解はAです。
小久保:やった!
粕谷:Aの方が味が濃いからBを選んだけど、素材だったかー。
■第3問:コンビニのツナマヨおにぎり
司会:次はコンビニおにぎりです。
おにぎりは生ものですからどちらも腐敗を防止するために添加物が使われています。
ただAにはBには入っていない、加工澱粉、キサンタン、セルロース、天然甘味料のステビアが使われています。これはいずれもツナマヨネーズ和えに添加されていると考えられます。
粕谷:どっちも美味しい…
小久保:うわー全然分からないです。これで違いがあるの?
これはもう分からない! 分からないんで、また個人的に美味しかった方選びますね。
粕谷 A
小久保 A
粕谷:Bの方が濃い気がする。味が。
橋本:正解はBです。ふたりとも不正解!
粕谷:えー。
小久保:ダメだこれはわかんない。
■第4問:ジュース
司会:ドリンクは、ソムリエとバリスタであるお二人には絶対当ててほしいです。
Aには香料が添加されていて、Bには入っていません。
小久保/粕谷:ははははは。
とりあえずプロらしく、ジュースの色を観察する二人。
司会: この2つのブランドって立ち位置的には似てますよね。お店では特に考えずに選んでいるかも。
小久保:美味しいのはどっちかって聞かれたらたら答えられるんですけど。添加物がどうかって言われると迷いますね。
粕谷:そうなんですよね。
粕谷 B
小久保 B
司会:二人とも正解です。
小久保:Bの方は香料が添加されていない。Aの方は子どもが好きそうな匂いがする。
粕谷:両方とも100%って書いてあるのにね。
司会:その通りです。Aには香料が添加されていて、Bには入っていません。
■第五問:プリン
Bはカラメル色素や香料などが入っていますが、Aは添加物が一切使われていない珍しいプリン。
粕谷:これ食べてみてください! 卵以外の味が多すぎる(笑)。
小久保:これで逆だったらすごいな! これは子供が好きな味がするな。
粕谷:でもたまに食べたくなる味がします。昭和レトロな遊園地とかで。
粕屋 A
小久保 A
司会:最後はサービス問題でした。もしもお二人が間違え続けてしまった場合、お二人のメンツを守るために備えていました(笑)。でも舌のエキスパートでも、添加物の味については100%当てられるものじゃないんですね。
粕谷:添加物の味を知ってから挑戦したら、間違えなかったんだけどなー。言い訳ですけど(笑)。
小久保:僕はわりと添加物の味が嫌いじゃないこともあって、最後のプリン以外はどれも自信がなかったです。
結果:添加物の味を見極めるのはプロでも難しい。
後日、サンクチュアリ出版イベント部の山口慶一氏にも、同じ試食をしてもらいました。
すさまじい偏食家である彼は、
好きな食べ物:のり、明太子、ごはん
嫌いな食べ物:他ほぼすべて
山口氏は、添加物の入った食品をすべて当てました。
味の多様性を受け入れる
ソムリエやバリスタとは異なり、
人は嫌いなものについて、
特に鋭敏な味覚を持つのかもしれません。
『令和版 食べるならどっち?!』では、スナック菓子、炭酸飲料、コンビニのおにぎり、レトルトカレー、ハム、冷凍食品調味など、子どもの口に入りやすい上位200商品以上を徹底調査し、商品に含まれる成分を客観的データをもとに分析、添加物の危険性などを解説します。
今作では、種類が増えた食品添加物や、コロナ禍で需要が増えた、冷凍食品、カップ・即席麺、レトルト食品、中華
料理の素、コンビニ商品にも注目しました。
育ち盛りのお子さんがいるご家庭で、ぜひ手にとっていただきたい一冊です。
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