noteでこれから書いていくこと
ファブアカデミーの苦行も間もなく終わる
年明け1月中旬から受講開始したデジタルものづくりのグローバルディプロマコース「ファブアカデミー(Fab Academy)」も、約5カ月にわたる「特訓」を受け、ようやく卒業制作の発表を迎えるところまでたどり着くことができました。全世界で230人ぐらいが受講し、卒業制作の発表に臨む生徒は183人だそうです。
この間、課題取組みに毎週30~40時間を投入し、それでもクリアできない難題。文系の、しかも還暦過ぎたオジサンには理解が難しい電子回路工作や無線通信には特に悪戦苦闘し、かなりの視野狭窄状態で6月を迎えています。
インストラクターからは、「飲みに行ったり、友人知人との交流に費やしたりする時間はないと思って下さい」と事前に釘を刺されていました。私の場合は3月で早期退職したので、4月に入ってからは日中も多くの時間を課題への取組みに充てることができましたが、それまでは日中は全然別の仕事をしていて、夜は2時3時まで課題に取り組むような形で睡眠時間を削って課題クリアのために時間を捻出してきました。
「飲みに行く時間がない」というのはその通りですが、もう1つ、「体を動かす時間がない」というのもありました。断酒は体にプラスでも、体を動かさないのはマイナスでした。慢性的な睡眠不足もマイナス要因だし、GW明けから新潟県長岡市で仕事を始めたので、毎週末にローカルセッションが行われるファブラボ関内(横浜)に長距離バスで通う生活パターンも加わり、下半身の血行が相当悪くなったという自覚もあります。
精神的な負担も大きかった。わからないことがあるとそれをわかろうとするのに余計な負担がかかり、スムーズな理解を妨げるようになります。特に深夜に電子回路工作やウェブサイトへの書き込みをやっていて想定外のエラーが出たりすると、パニックに陥ってめまいを覚える事態に何度か遭遇しました。こうなると思考が完全にドツボにはまり、他のことが冷静に考えられなくなります。「視野狭窄」の極致。絶望感に苛まれ、何もかもが面倒になります。そこでいったん休憩して気分転換でもすればいいのに、かえって意地になってそれに前のめりで取り組み、余計時間を浪費する事態に陥ります。
ファブアカデミーの受講を開始するまでは、自分が働いていた任国やそこでの配属先、プロジェクトの関係者のこと、さらには国際協力全般に関しても気になって、何か言いたくなることが多くありました。ファブアカデミー受講はこうした雑念を振り払うプロセスでもありました。自分がちょっと前までそういう業界で働いていたというのが、まるで幻であるかのように今は思えてきました。
それでもたまに国際協力のお話が舞い込んでくることはあります。そういう時はなるべく全力で取り組むよう心がけていますが、昔取った杵柄とはいえ、記憶をたどるのにかけるエネルギーは相当なものです。それまでドツボにはまっていた電子回路工作や無線通信の難題から頭をパッと切り替えて、他のことをやるというのもなかなかできません。これには「老化」という別の要因もあるかもしれませんが(笑)。
そんなわけで、noteの更新もおろそかにして、ファブアカデミーに没頭してきたこの数カ月でしたが、「卒業」というゴールがチラつくようになってくると、いろいろ未整理でとっちらかしている周りの状況にはたと気付き、どうしようかと考えるようにもなってきました。
あの「ナレッジレポート」はどうなった?
3月24日に書いた記事の冒頭、「ナレッジレポート」なるものを書いて会社にドラフトを提出したという話をご紹介しました。このレポートの受付担当者からは、「順調でも公開までに6カ月かかる」と言われました。4月下旬になって、この初稿へのレビュアーのコメントもいただいたのですが、レビュアーがファブをわかっている人じゃなく、論文としての体裁に関してツッコミを受けたので、ファブアカデミーも佳境に入っているこのタイミングで、コメントに応じてすぐに書き直しを行うのは厳しいと考え、1カ月寝かせていました。
加えて、その間ファブアカデミー受講は続き、初稿に関して情報アップデートした方がいい項目もあることに気付かされました。
半年後に古い情報をベースに、きちんとした場で公開した方がいいのか、それとも最新の情報をベースに個人でクイックに今公開した方がいいのか、正直悩みました。それに、レポートの文字数に「20,000字以内」と制限もつけられたので、書き込んだ後で泣く泣く削った記述も相当あります。雑念を振り払ってファブアカデミー受講を続けてきたら、古巣の積み残しの宿題を片付けるのが億劫になってしまったというのも正直言ってあります。
レビュアーのコメントにはなんとか応じて原稿をリライトし、元の職場にいずれは再提出したいと今も考えてはいますが(早くて7月初旬ですが)、その一部は情報をもう少し分厚くして、自分が書きたい分量でnoteに順次アップしてしまうのが落としどころではないでしょうか。
今後noteで書きたいこと
そこで、6月以降、このnoteでは次のような目的でもう少し頻繁に記事を書いていくことにします。
1つめはこの「ナレッジレポート」でふれたいくつかの項目についての原稿加筆とその掲載です。
2つめは「ファブアカデミー」の振り返りです。ファブアカデミーでは毎週の課題への取組状況をウェブサイト上に英語でアップデートしていくことが求められていたので、英語のコンテンツについては膨大な量がすでに存在します。6月中にこれを「とりあえずここまで」というレベルにまではアップデートしますので、その後はこれをベースに日本語でのサマリー記事を書けたらと考えています。
3つめは、長岡の職場での日々のあれこれやら、今後参加するイベントのレポートなどです。ファブアカデミーの卒業制作を終えたら、次にやりたいものづくりのアイデアもいくつかあるので、適宜レポートします。また、今後は学会でのパネリスト登壇、メキシコでのファブシティチャレンジ&ファブアカデミー卒業式出席などのイベントも続くので、ご報告できる内容が豊富に出てくるでしょう。
以上、そのキックオフも兼ねて、ちょっとまとめさせていただきました。