はじめに こちらは2023年に公演した、劇団びにぃるの旗揚げ公演『最高に相性のいい私たち』の舞台脚本になります。 今年度は11月02日~04日にて本公演を行います。 ぜひお時間ありましたら劇場でお会いできると幸いです。 詳細はこちら「劇団びにぃる|公式サイト」 第一章1 シェアハウスMEETS(回想) 机の前で総立ちになりながら向かい合う5人。 それぞれが互いを値踏みするように目を彷徨わせる。 その中で苛立ち混じりにサーヤが春香を睨む。 サーヤ「
くまのこは、竹藪の中から子供達を見ていた。 少し切り立った崖にある、無造作な竹藪。下には公園があり放課後の時間帯になればいつも子供達の無邪気な声がこだまする。ここはまだ世の中を知らないくまのこにとって、人に気づかれず人の生活の一端に触れられる絶好の隠れ場だったのだ。 今日も人目を忍んで下界の様子を伺っていると、「20,19,18」と元気な声が聞こえてきた。発しているのはいつもこの公園で仲間達と遊ぶケンジだ。彼の仲間が何度も彼を名前で呼んでいたのでくまのこも