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【新しいアルバイトさん、スタート!1人目はこんな方です。日本酒への思い】

新しいアルバイトさんを募集したところ、すぐに4人ほどの応募がありました。
そのうちの一人は、【Nen Light】さんからの推薦でした。
ミシュランガイドに掲載、ベトナム初で唯一のミシュラングリーンスターを獲得したベトナムキュイジーヌレストランさんに推薦していただいて恐縮かつ光栄です。

ですが公平性を保つために、色眼鏡なしに面接をさせていただきました

日本語N2、TOEIC聴解・読解910点取得ということで、テストの点でも出来過ぎ君な上、留学で日本に7年いたのですね。
最近、日本帰りのベトナム人の方に会うことが多いのですが、多くの人達が日本の風習を肌で感じており、喋り方、物腰が日本人のようだと思います。

面接では、日本文化や日本酒への興味、思いも伝わり、採用させていただきました。
これまで当店に面接に来たり、働いてくれたベトナム人の方で、「日本酒への思い」を伝えたのは彼だけです。

エクセルにまとめた「お仕事ロードマップ」を送り、仕事始めの一日目はオリエンテーションを行いました。
軽く仕事内容を説明したあと、日本での活動、現在の活動、将来についてお聞きしました。
そしていよいよ「日本酒の試飲」です。
良く気が付くことに、彼は自身が運転するバイクではなく、Grabバイクで来ていました。これで飲酒、OKですね。
まずは「若波 FY2」と「仙禽オーガニックナチュール」の飲み比べ。
当店でどちらも「白ワインに似た風味があります」と説明していますが、「じゃあ、この二つはどう違うの?」と必ずお客様に聞き返されます。

Toanさんは「特定名称酒」についてはすでに理解があり、Nen LightのHungさんの教育が徹底しているのを感じます。
さて、まずは香りを感じ、酸味、甘み、そのバランスについて彼は静かに説明してゆきました。
私の見解と同じでしたが、もし違っていたとしても、私は人それぞれの感じ方を大事にしています。なぜなら、まずは「自分なりに感じること、それを伝えようとすること」こそがもっとも大切なことだと思うからです。

次は日本土産としていただいた「ロイズ(ROYCE')の抹茶チョコ」とどの日本酒と合うか「選んでみて」。
初日に、当店にどんな日本酒があるかもまだ分からないのに、無茶振りもいいとこですw
「えーー!抹茶と合わせたことない。そんなの合わせるんですか?」
「日本酒は、何とでも合います。合わせ方によるけど」

彼は「龍酒 WAKAZE The Classic 3rd」を選びました。「スィーツ」には甘味の強いフルボディタイプの日本酒が合うと考えたのだと思います。

一方、私は「末廣 伝承山廃 純米」を選びました。
というのも抹茶のホワイトチョコだけれど、チョコには「山廃」が合うと言われているのを知っていたからです。実際に抹茶チョコと合うかどうかはまだ試していません。

結果は、「WAKAZE」は抹茶チョコと合わせると辛く感じるようになります。
彼曰く「キレを感じる」。
一方「山廃」の方は、本来は辛口ではありますがチョコと合わせると、口の中でまろやかでふくよかな絶妙の旨味に変わります。
「旨味を感じる」。
彼は「キレ」と「旨味」も、ちゃんと理解しているのですね。

JETROが作成したベトナム語版日本酒教本を渡しました。
さらにメニューや商品の写真を撮っているので、当店の定番メニューリスト(小売り用)も送ってあげました。
彼の好奇心に火が付いたら良いのだけれど…。

日本酒は奥が深くて、世界につながっていて、素晴らしい世界ですよ。

そして(11月5日付)
「日本酒や焼酎、泡盛といった日本の「伝統的酒造り」がユネスコの無形文化遺産に登録される見通し」になりました。
来月2日からパラグアイで開かれる政府間委員会で無形文化遺産への登録が正式に決まるそうです。

ますます世界から注目され、飛躍してゆく「日本酒」です。

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