【『帝王の誤算 世界最大の広告代理店を創った男 鷹匠 裕 (著)』が面白かった!】
【帝王の誤算 小説 世界最大の広告代理店を創った男 (角川書店単行本) Kindle版】
鷹匠 裕 (著)
高度成長期からバブル、そしてバブル崩壊から現在に至るまでの、日本の時代とシンクロした、ある企業で「帝王」と呼ばれた男を、鋭い時代背景の分析力と人間描写で描かれた大河ドラマです。
テンポの良い展開。
感情移入しやすい登場人物たちの、葛藤や疑心暗鬼などの心理描写の巧みさ。
巧妙な交渉術や権謀術数の数々。
一企業戦士の話ではありますが、起業家の方にも共感できるところが多いのではないでしょうか?
映画は二日に一作品は観ていますが。
特に欧米映画の「実際にあったストーリー」をベースに描かれた映画においては。
ここまで突っ込んで描いて大丈夫なのか?
と思うほど緻密に取材され、忖度なしの政治批判であることが多く。
特にオリバー・ストーンの『JFK 新証言 知られざる陰謀』やトム・マッカーシー『スポットライト 世紀のスクープ』など。
「世界を震撼とさせる」という謳い文句にふさわしい。
日本では実際に起こった社会問題が、現実に近い形で小説やドラマで描かれることは難しいのでは?と思っています。
その意味では「帝王の誤算」は現実に肉薄していてたいへん面白かったです。
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さてこの小説を手に取ることになりましたのは。
Facebook経由で当店に「日本酒の進出支援」をお願いして来られた方の、一投稿に寄せられたコメントでした。
「ベトナムの「越の一」なる日本酒が、楽天で注文できるらしい」
フエフーズさんは、日本酒を逆輸入されているのですね。
こういうのを読むと黙っていられなくって…w
思わず横合いから、「ホーチミンにも蔵元があります」と「Mua Craft Sake」のご紹介をコメント返ししたのですね。
それにしても、楽天で「越の一」を発掘するなんて、どんな人だろう?と思ったら。
小説家の「鷹匠裕」さんでした。
即、鷹匠さんの方からお友達申請が来ました。
で、Amazonに行くとこの「帝王の誤算」が販売されており、即、購入。
鷹匠さん曰く、「Kindleで購入した方が印税が高いんですよ♪♪」とお礼のメッセージがw。
皆様もぜひ、Kindleでご購入くださいませ。
さて。
この小説は80%は「Based on a true story.」なんだそうです。
私も多くの方の登場人物名を、実際のお名前で分かりますし。
この企業さんの事業の末端でお仕事をさせていただいたことも何度かありますし。
特に作中登場する映画の試写会を拝見させていただき、監督さんには文化事業でお世話になったこともあります。
懐かしく思い出すともに、「ああ、そういう時代だったなぁ~」としみじみとし、感情移入もひとしおでした。
そしてすべからく人の業績と言うものは時代を形成しているようで、その実、流されつつ、次の世代にバトンタッチしてゆく間の繋ぎであるし、またそうであるべきなのかなと思うのです。