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狐が火をつけた話

読書

それにしてもどういう「火」だったのだろか?

「酉陽雑俎」の「尾をたたいて火を出した」なら
咥えて走らないように思えるが
どこかから取ってきた松明だろか?
まずは宇治拾遺物語の「狐家に火付ける事」を読みたいよねえ。
では-!どの分野でも専門家ではない素人の分際で現代語訳したよ ♪
当たらずと言えど遠からずでどうぞ―

狐、家に火付ける事
昔、甲斐の国に館(役所)に勤めている侍がいた。
夕暮れに館を出て家に向かって行くと
狐に出合ったので追いかけて(騎乗)
引目(矢じりの代わりに中が空洞の大きな鏑(かぶら)刺さらない)の矢を射ると狐の腰に当たった。狐は射られたはずみで転がって、痛みに鳴いて腰をかばいながら草むらに入った。
この男は狐に当てた引目の矢を拾ってまた道を行くと
さっきの狐が腰をかばいながら先を歩いていたので
また矢を射ようとしたら見失ってしまった。
家まであと四、五町(四百~五百メートルほど)くらいかと思って行くと
この狐が二町ほど先に立って火をくわえて走っていたので
「火をくわえて走るとはどういうことだ」と思って
自分も馬を走らせたのだが、その狐は家の所に駆け寄って
人の姿になって火を家につけてしまった。
「これはきっと人が付けているに違いない」と
矢をつがえて馬を走らせたのだが
火を付け終わったところで
また狐になって草の中に走り込んで見えなくなってしまった。
そして家は焼けてしまった。
このような狐でも、すぐに仇(あだ)を返すのである。この話を聞いたからには、このようなものを決して痛めつけてはいけないのである。

さてこの話、私の脳内ではどうなったのだろか。
(続く

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