山にはダニがいるものなのだ
実用
昔々、週末は山菜取りに山に入ったものだ。
沢に入って巨大なフキを取ったり
日当たりのいい丘でワラビを取ったりして楽しんでいたが
山にはだいたいダニがいた。
これは畳や布団にいる小さなダニではなく
もっと大きな、1.5ミリくらいの、ちょうどゴマの一粒くらいの
マダニというヤツである。
マダニは笹が生えているようなところにはどこにでもいると思っていい。
夫は山で仕事をしていたときに、2度「喰いつかれた」。
一度目は山から下りてきてお風呂場で胸に喰いついているのを見つけて
ひええええ~、と、むしり取った。
幸い、まだあまり深く喰いこんでいなかったので被害は小さかったが
2度目はヘソの皮に喰いついていた。
幸いなことにヘソの薄くて柔らかい皮の部分だったので
精密工作用の先のとがったピンセットを焼いて消毒して
ダニの口先を容赦なく皮ごとつまんでむしり取ってやったが
1年くらいの間、血豆のようになっていた。
もし気付くまでに時間がかかって完全に喰いこまれたら
外科で切開しなければならない。
ダニの口は細いのだが、先がかぎ型になっていて
引っ張ったくらいでは抜けず、ヘタに引っ張ると頭が取れてしまって
口先が喰いこんだまま残って化膿する可能性がある。(シャレにならない)
「喰いついたら離れないダニのようなヤツ」というのは本当のことだ。
ダニは身体がパンパンになるだけ血を吸うと自分で離れていくのだが
それまでには一週間かかるとか・・・
一週間放っておくなんてゴメンだし
しかも、たちの悪い感染症を持っていることも。
ただ
動画で見た方はお解りだろうが、ダニは動きが非常にゆっくりで
身体にくっついた後
柔らかい部位を求めて「たらり~たらり~」と移動するので
山を下りたらすぐに身体中を調べれば喰いつかれる前に駆除できると思う。
実際、山で仕事をする人は夏だろうと首にはタオルを巻いて
長袖長ズボンで、袖口にはサポーターを巻いて
さらにおへそには大判のバンドエイドを貼って
万が一ダニが襟から入ってきてもヘソのくぼみに入らないようにしていた。
山にはダニがいて当たり前なので
山で楽しむ方は、肌を出さないようにして
万が一喰いつかれたらすぐに病院へ行ってほしい。
幸いなことにウチの場合は恐ろしい感染症には罹らなかったが
あの時のことを思い返すと・今になってぞっとするのだ。