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身分制度

勉強

初めて身分制度の精神構造を知ったのは
大学で伊勢物語を学んだ時だった。
貴族には「童(わらわ)」や「女房」や「従者」等、常におつきの者がいて
それは「妻訪(つまどい)」のときでも一緒にいて
寝物語も聞かれているが
貴族階級にとってはその者たちは人ではないので
何を見られても聞かれても平気なのだと。
要するに部屋にいるネコやインコのような存在だと。
ああ、これが身分制度というモノなのかと少なからずショックを受けた。
このことはその後種々様々な小説や映画等々で目にすることになって
人と人との関係についてや
差別感情について考える土台になったのでござる。
その後また
第二次世界大戦時、東南アジアで捕虜になった日本兵が
白人将校の家に手伝いに行かされて
女性がシャワーを浴びるのに自分の目の前で平気で裸になって驚いた
というエピソードを読んだ。
要するに日本人の自分は彼らにとっては人間ではないからである
そういうことがひしひしと感じられて非常に惨めだったのだと。
そこにいても全く気にも留めない存在というのは
いないも同然なのである。
自分は差別などしていないと思っていても
そこにいるにもかかわらず
自分の目に入ってこない存在というのはあるのではないか。