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山の上は涼しいよ ♪

読書
勉強

寒くなってきたから涼しい話をするぞ(やけくそ
札幌には標高530mの綺麗な夜景で知られた藻岩山があるが
たった500mくらいでも上がると寒い。
さて
山に登ると空気がさらりと乾いて涼しく、時には寒くて
降りてくると空気が湿って温かく、時には暑くてうっとおしくて
それはそういうモノだと思っていたが・学校でもそう習っていたが
…で、ナンで?
地上より太陽に近いのにw
学校では標高が100メートル上がるごとに0.5度くらい気温が下がる
と習って試験にも出た、のは覚えている。
というわけで、まずは考えてみた。

山の上と地上とで違うものは何か?
…気圧?気圧だけだと思う。
山ではそんなに気圧が低いのか?というと
山でパンパンにふくらんでいるお菓子の袋を見たことはありませんかな?
気圧の差は歩いて登ると感じなくても
車やロープウェイでぴゅーっと上がると耳がツンとしますな。
では、気温の違いはその気圧の違いによるのだろうか。
気圧が違うってことは、空気の濃度が違う、と。
ん?そもそも空気はどうやって温まるのかな?
温まった空気は体積が増えて上昇する。
これは確かだけど、そしたら上の空気の方が温かいんじゃない?
だって、冬には床より天井の方が暖かいでしょ?
いや、山と地上の気圧の差は部屋の中より大きいですからね
空気圧を上げると気体の温度が上がるっていう実験やらなかったっけ?
ほら、自転車のタイヤに空気を詰めていくとタイヤが熱くなるっていうの。
それなら気圧が低くなれば気体の温度が下がるんじゃないの?
気体分子の運動エネルギーのハナシ?

というわけで、これは気象についての本を読まないと
と思って本を探して借りてきた。

「雲と風を読む」中村和郎著 岩波書店
「教養の気象学」日本気象協会教育と普及委員会編 朝倉書店

「雲と風を読む」は、身近に見ている・感じている雲と風から
いろいろな気象現象を解き明かしていて
空気と水と地球との関係がたくさんの不思議とともに自分に入ってくる気がする。
風は温度差で起こり、また風は雲を起こし、雲は雨を降らせて…
雲や風や前線を初めて立体的に動く形で納得できた。(まだ人に説明できないけど)
著者は地理学科で気象学を専攻した方なので
地理的な目で気象を見ていることが(上州の空っ風など)
現実的で身近に感じられる本になっていると思う。

「教養の気象学」は理科の教員や大学の教養課程の教科書として書かれた本で数式や詳しい図入りで「みっしり」と解説してくれている。
一般向けを読んだけどもう少し、という方にオススメ。

さてそこで改めて
山の上はナンで涼しいのか、だが
要するに
空気は温まると膨張し、膨張すると温度が低くなる
ということに尽きるようだ。

地表が太陽で温められてその熱で空気が温められて膨張する。
膨張すると軽くなって上昇するが
膨張する「仕事」をして、その分熱を放出してしまう。
で、膨張しきったら熱を失って収縮して重くなって「沈む」。

こういう対流が起きるのは高度1万メートルくらいまでで
それで対流が起きる大気の層を対流圏と呼ぶ。
山に登ると涼しい、ということを考えるなら
この対流圏での大気の動きの範囲で十分だろう。

詳しい人にもっと聞いてみたくなった。