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同じ日でも違う日

誕生日が8月15日の人がいる。
言わずと知れた終戦記念日で
それも終戦の玉音放送が流れたまさにその日に生まれた人で
取り上げた産婆さんは出征した息子さんが生きて帰ってくるのではともうどうにも落ち着かず赤ん坊を無事取り上げてすぐ家に帰ってしまったのだと。
この日が誕生日になった人は自分の誕生日が来るたびに
毎年毎年身内からは産婆さんが産婦のお世話もそこそこに帰ってしまって
大変だったと聞かされるし誕生日が近づくとテレビでも新聞でも戦争の話で一杯になってくるしで、なんだかずいぶんかわいそうな誕生日だと思う。
子どもの頃からめでたい気分ではなかったのではと。
また
生まれてから何十年もたった誕生日に大災害が起きて
その日はすっかり大災害の日になってしまった
という人も知っているが
世間話の中でも役所の書類手続きの中でも
世の中では自分の誕生日は大災害の日として認識されるようになったワケで
これもずいぶんと気の毒な事だと思う。
過去に何が起きたどんな歴史的な日でも
それは誰かにとってはまた別の意味がある日なのだ。