ワケあり物件
小さな怪奇現象
以前住んでいた借家の話。
快速が停まる駅近くという抜群のロケーション。
スーパーも銀行も役所も病院も要するに大体全部そろってる。
それなのにウチが出て行った後
家賃を大幅に安くしたにもかかわらず
9ヶ月間借り手がつかず…
「ここは呪われている!」
と不動産屋ではうわさしていたそうだ。
いや別に呪ってないから。
さてそこで
不動産屋さんに勤めている知り合いとおしゃべりした時
ワケあり物件の話題になった。
ワケあり物件は本当に家賃が安いのか聞いてみると
確かに2、3割安いという。
客に「実害」は無くとも、言わば傷物扱いなのだ。
業者としては、気分の問題で商談が成立しないよりは
儲けが少なくなっても利益が出るほうがいい。
また、家というものは人が住んでいないと傷みが早くなるし
無用心でもある。
「そういう物件」かどうかは不動産屋で聞くと教えてくれるのだが
不動産業者は借り手の前の住人については情報を伝える義務があるが
そこの社員が1度短期で借りて
言わば「ワケありロンダリング」をやる場合もあると聞く。
しかし実際は、隠しても近所で聞けばすぐ判ってしまうので
「事件」が起きたのが何代か前の事でも正直に伝えることが多いという。
なるほどと納得。
さらに、お祓いについても聞いてみた。
お祓いをする場合には不動産業者と借り手が
あるいは修繕した業者も一緒に費用を出すことがあるそうだ。
お祓いをすることでお互いに気持ちの切り替えができるし
近所の人にもアピールできるということだろう。
お祓いと言えば
事故物件というワケではないが
どうも夜逃げなど住人が居つかないアパートがあって
不動産屋の社長以下お金を出し合ってお祓いをやったことがあったとか。
しかしこの物件は家賃が格安ということで
借り手の多くがそもそも「夜逃げ予備軍」だったのでは、と思う。
住む家、住む人、事情は色々。