作る人・楽しむ人
子育ての風景
コミュニケーション
以前住んでいた町内では2月上旬に日を決めて
家の前に「アイスキャンドル」や「スノーキャンドル」を作って
灯をともすイベントがあった。
バケツに水を入れて外に置いたらバケツ型の氷の器ができたし
丸い雪玉をたくさん作って積み上げたらランタンになったが
一番簡単なのは
道路わきの雪山に穴を開けて小さなカマクラにすることだった。
色々に作った「雪や氷のランタン」の中に
ロウソクを入れて灯をともすと
氷はろうそくの炎に輝いて
雪は光を包み込んで柔らかい灯りとなった。
子どもたちと色々に作って中のロウソクに火をともし
ご飯の前や後にちょこちょこ表に見に行っては
ああ、まだ灯っている、と喜んだ。
さて、そうやって眺めていたら
町内の方が歩いてきて
「あらあ、きれいねえ、かわいいわねえ」と褒めてくれて
ものすごくうれしい気持ちがわいてきた。
そうか
作っておしまいじゃなくて
作ったものを見てくれる人がいてこそ!
その人はゆっくり・ぶらぶらと歩きながら
他の家の前のアイスキャンドルを見ては
「すてきねえ」などとつぶやいて遠ざかって行った。
もうひとつ
我が家の裏が一人暮らしのお年寄りの家だったのだが
子どもたちの発案で
庭の雪をこいでいって、その家の雪に埋もれていた窓を掘り出し
そこにアイスキャンドルを据えて灯をともしてから
息子たちが「ねえ、窓を見て♪」と、コンコンガラスを叩いた。
翌日
そこの奥さんがわざわざ訪ねてきてくれて
「こんなことしてもらったの、初めて・・・」
「あそこは台所の窓で、何度もながめてたの」と。
冬の灯りは暖かい。