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どこにナニで書いたのか

言語

草書って読むのが大変だ。
楷書をここまで崩さなくってもなあ、と思っていた。
細い筆でするする書いたんだろなあ。
ところが
実は楷書の前に草書があって
草書の前に隷書があったのだと。
草書は楷書を崩したのじゃなくて
隷書を早く書くように崩したものなのだそうだ。
草書より崩れ方が少ない行書は
楷書を早く書くように崩したもので
書き順も楷書と同じ。
草書の書き順が楷書とは結構違うのには元が違うというワケがあったのだ。

面白いのが、楷書は隷書の後
書くものが木の板から紙になったことでできた字体だということ。
え、字は紙に書くものじゃ…
そうだ、最初から紙があったわけじゃなかったんだ!
隷書が書かれた時代にはまだ紙がなくて
木簡という木の板に固い鹿の毛の筆で字を書いていた。
看板に刷毛で字を書いている感じか!と納得。
そういえば隷書は雰囲気が勘亭流に似ているが
勘亭流も看板に書くものだった。

紙に書くようになって筆の毛が柔らかい兎の毛になったとか。
どこに書くかで筆も書き方も違うのだなあ。
ちなみに隷書の前は篆書、つまり固い石や金属に彫っていて
その前は甲骨文字、甲羅や骨に彫っていた。
固い石や金属に文字を彫るには金属の利器がなくてはならず
紙を作れたのもやっぱり技術革新があったから。
文字の歴史はそのまま技術革新の歴史でもあった。

今や多くの文字はプリンターでの印刷なので
薄い紙一枚分の平面だが
何だか活字を押し付けて印刷していた活版のページが懐かしい。

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