チリも積もれば
実用
昔々、アルバイトをしていたとき
関連の部署で管理する建物の掃除をしたことがある。
そこは何年か空き家になっていた近代の歴史的建築だったのだ。
空き家なので、水も電気も使えなかったように思う。
私は小賢しく
こういう時には濡らした新聞紙をまいてホウキで掃く、でしょ?と提案。
さて、ゴミ袋にホウキやチリトリを用意して現地に行くと
相当に広い二階建ての洋館で
持参の新聞紙をポリ缶の水で濡らしてまいてみたものの
そんなんじゃ全く太刀打ちできないことに気が付いた。
ホコリの量がハンパじゃないっ!
幹線道路に面した建物で、当時は冬にスパイクタイヤを使っていたので
道路のアスファルトが削れて粉塵が大量に舞い上がっていたのだ。
ホコリはホコリでも綿ボコリじゃなくて
細かい砂ボコリが厚く積もっていたのだ。
重いのでホウキで「よいしょ」とかき集める感じ。
「これ、角スコップですくえるよねー」
おそらく、1ミリ以上の厚さがあったと思う。
「たかが」1ミリと言ってバカにするなかれ。
砂ボコリが1ミリ積もっている状況は相当なものである。
手分けして、それぞれのゴミ袋に集めたが
そのひとつひとつがずっしりと重かった。
さてそこで
厚さ1ミリの砂ボコリは
1平方メートルあたりどれくらいの分量になるでしょうか。
・・・1カップくらい、かな?
1平方メートルは10000平方センチで、そこに1ミリだから0.1をかけると
ナンと!1000立方センチ=1リットル ですと!
え、ホントにィィィ!?
いや確かにゴミ袋にいくつもずっしりと細かい砂が入っていたものな・・・
「チリも積もれば山になる」って、ホントですぜ。。。
あまりのホコリに、みんなタオルで鼻と口を覆ってマスクにしたが
作業を終えて顔を上げると
みんなタオルの真ん中には黒い丸が二つ並んでいて、笑ってしまったっけ。