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矢をはぐのはぐとは何ぞ
言語
読書
宇治拾遺物語の「狐家に火付けたる事」に
実はちょと気になる言葉があった。
それは
「矢をつがえて馬を走らせた」場面の「矢をつがえて」の部分。
原文では
「矢をはげて走らせけれども」と「矢をはげて」となっていて
「矢をはぐ」というのは自分としては「矢を作る」ことだったので
改めて調べてみたのだ。
古語に強いいつもの広辞苑 第二版補訂版 を引くと
は・ぐ「矧ぐ」他四 (古くはハク。「佩く」と同語か)
竹に羽をつけて矢をつくる。
という自分の知っている「矧ぐ」があったが
これと並んで
は・ぐ「矧ぐ」他下二 (古くはハク。「佩く」と同語か)
弓に矢をつがえる。
とあって、驚いたのでござる。
矢を作る方の「矧ぐ」と矢をつがえる方の「矧ぐ」の違いは
「他四」と「他下二」の違いですと!?
さてそこで
「他四」は他動詞四段活用のことで
「他下二」は他動詞下二段活用の事だけど
みんなー!覚えてるかー!?w
行くぞー ♪
「四段活用」だと「矧ぐ」は
矧がず
矧ぎたり
矧ぐ
矧ぐとき
矧げば
矧げ
と活用し
「下二段活用」だと
矧げず
矧げたり
矧ぐ
矧ぐとき
矧ぐれば
矧げ
と活用する。
だから「矢を矧(は)げて走らせけれども」
は下二段活用なので「弓に矢をつがえて」になって
「矢を矧ぎて」だと四段活用なので「矢を作って」になるのですな。
あー、これ、同じになる部分もあるから慣れないと迷いそう・間違いそう
っていうか、前後のつながりでわかるよね、と。
どちらにしても
矢羽根を矢竹に付ける、のも
弓に矢を付ける…正確に言うと弓弦(ゆずる)に矢を付ける、のも
どちらも、何かを何かに付けるという意味なのですな。
ふうう-
勉強になった ♪